電車の中で化粧する女たち

なぜ女性は化粧をするのか、それは自己表現であり趣味の範疇にあると著者は主張している。それを考えると現在の「オタク」の概念をとらえながら見てみると通底している部分は捨てきれない。自己表現を極限にまで求めている、だからでこそ電車の中でも化粧をすることに余念がないという。

著者はそういった電車の中で化粧する女性のことを「コスメフリーク」と言っている。そうなると本書は単純に電車の中で化粧する女たちがいいのか悪いのかを考える本でないことは確かである。本書はどうして化粧をする女たちをはじめコスメに関してこだわりを持ち始めたのかを考察している。

全体的な感想としては、化粧に全く分からなかった(男だからしょうがないと言えばそれまでだが)私だが、女性がなぜ化粧にこだわるのか、電車の中で化粧する理由と言うのが見えてよかったと思う。そこまで理由を考察できたのであれば、なぜ声高に電車内の化粧はマナー違反ではないと主張していないのかと問い詰めたくなってしまう。ここまで理由は明示されているのに、なぜ一方的に「化粧はマナー違反です」という張り紙や主張ばかりがまかり通ってしまうのかと言う事も論証も交えながら反駁をした本がほしいとも思った。

コメント

  1. 化粧行動許容に関わる公衆場面の構造解明とそれを規定する個人差要因

    電車内や駅ホームで化粧を行う女性たちが話題になって久しい.否,今日では男性たちにおいてさえ,それをみることができる.
    なぜ,彼らは公衆場面で化粧を行うのか.
    菅原は,電車内での化粧行動の特徴に「若さへのこだわり」「流行への関心の強さ」「親子関係への不満…….

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