忘年会

こう言うシーズンなのでこの一冊。そうくると、日が近くなればサンタクロースに関する本の書評をするような私である。

本書は忘年会の歴史、今サラリーマンがやっているような忘年会はいつごろできたのか、海外の国々では忘年会はあるのか、著名人の方々の忘年会批判まで、「忘年会」にまつわることを隅から隅まで書いている1冊である。

今のような忘年会になったのはちょうど明治に入ってからのことであり、今では少し大きな居酒屋でワイワイと騒ぐという形であったが、第一次世界大戦のあとでは大企業では料亭で忘年会を行い芸者を呼んでドンチャン騒ぎであった。今のように居酒屋でやるような形になったのはごく最近のこと。居酒屋チェーン店が軒と連ね手軽に飲み会ができるという形になり始めてからではなかろうか。そう考えると近年の忘年会も一風変わっている。例えば先の読書パーティーもある意味では忘年会である(「交流会」とも言うべきか)。居酒屋で、ホテルで、料理店で…和洋中を織り交ぜながらも日本独特の忘年会文化を築き上げている。

実のことを言うと私自身も前述の読書パーティーを含め今日までもう3つの忘年会に参加した。社会人1年目であるが、まさかこれほどまで忘年会をやるとは思わなかった。楽しい反面、財布が冬のように寒くなる。忘年会は年忘れで騒げるが年を越したらその代金によってその騒ぎから覚めて現実に直面するというオチがないようにしたいものだ。