男はつらいらしい

最近、女性の地位向上が叫ばれているが、果たして地位は弱いのかとふと考えてしまう。1985年に「男女雇用機会均等法」が施行される以前は女性が働ける職場は限られていた。しかし働く男性の妻として家庭を支える強さと、夫に対してこれほどまで威張れる存在はほかにいるだろうかと思ってしまう。さらに遡っても、内助の功で有名になった人もいれば、女性が活躍した時もあった。前者では前田利家の妻であるまつ、山内一豊の妻である千代(見性院)が挙げられる。後者でも天璋院篤姫や北条政子が代表的である。

女性の地位向上もあるのだが、昔から「男」は実際の所、つらい立場にいるという。私は結婚もしていないのであまりわからないが、本書は女性記者の立場から見た男のつらさというのを描いている。

第1章「結婚できない男たち」
今から4年前に阿部寛主演の連続ドラマに「結婚できない男」があった。当時もそうであるが晩婚化の進んでいる現状を描いているが、それ以上に現在では「結婚できない」というよりも「結婚もしたくない」という男性が出てきている。下の話でも性的な興奮を音楽をするなどに転化をしており、女性にすら興味を持たなくなったほどである。
女性の側も、様々な理想を突きつけ、高嶺の花のように見せたがる人もいる。男性はそれに引いてしまい、結局恋愛成立せず、という様相もある。
「恋愛よりもやりたいことがある」という言葉というか歌詞も聴いたことがあるのだが、果たしてそれが当てはまっているのかどうかは私にもよくわからない。

第2章「更年期の男たち」
「更年期障害」という病気は女性特有の病気だけではなく、男性でも罹る病気であるという。更年期障害にも様々なものがあるが身体の症状と性機能の症状に大きく分けると2つである。医療が進んだばかりではなく、社会的に認知された要因なのかもしれない。と言うのは昔は男性には更年期障害というのが無く、一種の「ぜいたく病」と呼ばれていたほどである。

第3章「相談する男たち」
「男は黙して一人で困難なことに立ち向かう」
「昔からあった」男としてのあり方である。「昔からあった」という言葉にぴんと来た人もいるかもしれない。最初の言葉はもうすでに過去のものとなってしまい、今となっては男性も仕事・家庭など色々と相談したいのだという。最近では男性対象の相談窓口やホットラインと言うのだから、「強くなければいけない」という呪縛に悩まされ続けたと言う現状が浮き彫りになる。

第4章「父親になりたい男たち」
「父親像」は何だろうか。子どもに対して厳しく接するようであるべきか、友達のように距離は近くあるべきか、逆に距離を置くべきか。父親像への葛藤は続いている。

最近、ニュースに限らずメディアは「女性」視点でものを言うことが多くなっている。女性の方が良いという優越なのだろうか、はたまた「女尊男卑」の言葉を当人の意図を介せずとも自然にできてしまったのだろうか。それは私にはわからない。ただ、本書を読んでこれだけのことは言える。男性も同じように苦しんでいる、そのことを私たちはもっと気づくべきではないだろうかと言うことである。