精神の哲学・肉体の哲学~形而上学的思考から自然的思考へ

「哲学」はどのような学問なのか。端的に言うと、

「問題の発見や明確化、諸概念の明晰化、命題の関係の整理といった、概念的思考を通じて多様な主題について検討し研究する、学問の一分野」wikipediaより)

という。この説明だけではどれを題材にしているのかはわからないが、もっとも数学も心理学も「哲学」から派生したことを

そして「哲学」そのもののあり方も時代とともに変わっていき、古代ギリシャ時代にて活躍したソクラテスやプラトン、アリストテレスからへーゲルまで活躍した時代は「魂」や「精神」を論じられる「哲学」が中心だった。しかし、十九世紀末以降の哲学は「精神」ばかりではなく、「肉体」についても論じられることになった。

本書は「哲学」について「精神」のためなのか、「肉体」のためなのか、哲学者と精神科医の二人が対談形式について2000年以上の歴史をもつ「哲学」を解き明かしている。

第一章「身体の上に精神を置く思考の伝統」
古代ギリシャの哲学からデカルトの時代までは、身体の哲学よりも精神を礎にした「思考」の哲学によって成り立っていた。また、当時はキリスト教(カトリック)が絶対的な存在としてあげられており、哲学もそれをベースとしたものであった。

第二章「世界を認識する理性、世界を形成する精神」
本章ではカントからへーゲルの哲学をもとに十九世紀末までの哲学の変遷について論じている。カントの哲学はデカルトの提唱した哲学を批判するのではなく、バックアップや補足を行おうとした。しかしそれは間違いだと言うことに気づき「純粋理性批判」というものを発表したのだという。

第三章「十九世紀末人間諸科学の大転換」
冒頭に「十九世紀末より大きく変わった」と言ったが。どのように変わっていったのだろうか。
本章ではヘーゲルやニーチェ、ハイデッガーのところを論じるとともに理性や精神、目に見える「現象」や「自然」といったものを論じられるようになった。

第四章「知覚・行動・身体への哲学の関心」
哲学は「精神」という形のないものから「自然」や「生」、「実存」など形のあるものにシフトしていった。本章ではマッハをはじめ、ベルクソン、フッサール、サルトルと形の見える「肉体哲学」の変遷についてが中心となる。

第五章「心理学・現象学・プラグマティズム」
「哲学」から派生してできたものは数多くあり、数学や論理学をはじめ、本章にある「心理学」や「現象学」からも根は「哲学」である。本章では各国における「心理学」の違い、さらには「心理学」や「現象学」から見た「哲学」とは何なのか、というのを解き明かしている。

第六章「物質・生命・精神という階層」
より肉体的な議論から哲学は何を命題に動くべきなのか、と言う、「これからの哲学」についてを論じている。

「哲学」は2000年以上の歴史はあるのだが、「数学」や「心理学」「現象学」などの学問に派生し、発展していった。すべての学問の根幹は「哲学」から、と言っても過言ではないほどである。最近では哲学者の言葉の本が売れているのだが、それが学問にしろ、人生にしろ「原点」を見直す機会である。そのことを本書では言っているのではないだろうか。

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