不平等について―― 経済学と統計が語る26の話

所得や富に関する「不平等」は往々にして起こる。ちなみにそういった不平等はメディアにおいて「格差」と呼ばれている。ちなみに「格差」というと、「不平等」と同じくネガティブな印象を持たれるのだが、それは人間以前に動植物の世界でもごく当たり前に「格差」が存在するので、ごく自然な現象である。

しかし人間における「不平等」とはどのようなものがあるのだろうか。本書は経済学・統計学の観点から紐解いている。

第1章「不平等な人々―国家内の個人の不平等」
国内における不平等というと、資本主義では「資本家(ブルジョア)」と「労働者(プロレタリアート)」に分れる。もちろんそういった不平等は資本主義特有のものではなく、社会主義でも、共産主義でも、不平等なことは起こっている(但し不平等の大きさには差がある)。

第2章「不平等な国々―世界の国家間の不平等」
国ごとから見ても、GDP(国内総生産)のばらつきは存在する。そういう意味で国家間において「不平等」が存在する。しかしその国家間の不平等は「グローバリゼーション」が広がりを見せてから無くなってきたのかというと、必ずしもそうとは言えず、「脱」グローバリゼーション化も進んできており、不平等化は進行しているのだという。

第3章「不平等な世界―世界の市民の不平等」
国単位と言った、いわゆる「マクロ」な観点でも、国民単位での「格差」と呼ばれる「ミクロ」な観点でも不平等は起こっている。しかしその不平等は、時代とともに変化をしている。かつては「階級社会」が主であったために、不平等そのものが是というよりも、自然に存在するものだという認識があった。その「不平等」に対して問題意識を持ち始めたのは、現代になってからのことである。

国も市民も不平等であるとするならば、世の中は「不平等」に満ちている。しかしその不平等は解消するために動いている人もいれば、それはごく自然なことであると野放しにしている人もいる。もちろん私は後者の考えであるのだが、そもそも人間社会においてどのような「不平等」があるのかと思って本書を手に取ったのだが、様々な角度からの「不平等」がある事は知らなかった、本書はその知られざる「不平等」を知らしめることが狙いだったのかも知れない。

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