ハーフが美人なんて妄想ですから! ! – 困った「純ジャパ」との闘いの日々

皆さんは「ハーフ」というとどのような印象を持つだろうか。私の場合は、ハーフというとそれぞれの良いところのかいつまんだ「いいとこ取り」の印象を持ち、才色兼備の印象を持ってしまう。

しかし実際には「ハーフもいろいろ」であるのだという。本書は固定観念としてあった「ハーフ」の実態を明らかにし、なおかつ日本人(本書では「純ジャパ」と定義している)が持っているハーフの困った考え方などについて取り上げられている。

第1章「ハーフと言ってもピンからキリまで」
ハーフはキレイで性格が良いという印象はTVメディアによってつくられているのだという。もちろんそういった芸能人も数多くおり、それが固定観念として醸成されてしまっているのだが、実際にはハーフと言っても色々といる。
本章というよりも、本書の冒頭でハーフは、

・理想ハーフ
・顔だけハーフ
・語学だけハーフ
・残念ハーフ(いずれもp.6より)

と4つに分れており、さらには財力や容姿などで分けられるのだという。

第2章「ハーフのまわりの困った純ジャパ」
いわゆる「ハーフあるある」という部分であるが、初対面での質問やバイリンガルというような考え方にいくつかの固定観念や偏見があるのだという。本章ではその考え方があるのかどうか、傾向を知るだけではなく、チェックリスト形式にて診断できる。

第3章「ハーフの「揺りかごから墓場まで」」
ハーフは生まれた時から「ハーフである事」を背負う。なぜ「背負う」と表現しているのかというと、「ハーフである事」によって生じる偏見や固定観念と戦わなくてはならないためである。
本章では生まれてから亡くなるまでどういった偏見や固定観念があるのか、そのことについて取り上げられているのだが、日本人の悪いところが浮き彫りになっている印象があるように思えてならない。

第4章「日本社会の片隅でハーフが叫ぶ」
「ハーフ」には固定観念や偏見の他にもう一つ大きな重荷を背負っている。それは「愛国心」である。日本と外国のどっちが好きか聞かれるだけではなく、サッカーなどの国際大会で、どっちを応援するのか聞かれるのだが、実際にハーフはどう思っているのか、そのことについて取り上げられている。

本書の著者も日本人とドイツ人の「ハーフ」である。その方の実体験も本書に盛り込まれており、今まで私たちの持っている「ハーフ」の考え方についてことごとく指摘しており、その上で、本当の意味でハーフといかにして付き合えば良いのか、そのヒントを得ることができる一冊である。