スタート!

私自身あまり映画を観ないのだが、映画を少し観てみたいという願望はある。もっとも仕事が立て込むことが多く、映画を観る暇がないといった方が良いのかもしれないが。

私事はさておき、映画に限らずどのような世界にも「本気」はある。その「本気」を紡ぐことによって最高のものが出来上がってくる。その「本気」が映画の世界ではどのようなものなのかを本書にて描いている。

もちろん映画業界の闇や現状と言ったところも余すところなく取り上げられているのだが、それ以上に映画にひたむきな情熱を燃やし、最高のものをつくり上げるためのプロセス、いわゆる「青春」と呼ばれる姿がここにある。

しかしながら青春小説であればこれだけで終わるのだが、殺人事件も起こるなどミステリーの要素もふんだんに盛り込まれている。そのことを鑑みると本書は本当のところどのジャンルに当てはまるのかがわからなくなる。そう思った一冊である。