不動産取引と土壌汚染のリスク

土地・建物など不動産にまつわる取引は数多く行われている。しかしその取引の中には様々な「リスク」はついてくるのだが、中でも本書で取り上げる「土壌汚染」もまたリスクの一つとして考えられる。取引行う上での「価値」の観点における「リスク」もあれば、実際にその不動産を使う人々に対する健康への「リスク」も挙げられる。さらには周辺地域への「リスク」などリスクを上げるだけでもキリがないほどである。そのキリのないリスクはいかにして起こり、なおかつヘッジしていくべきか、その傾向と対策について取り上げているのが本書である。

第1章「土壌汚染とは」
そもそも土壌汚染とはいったいどのような傾向かを上げると土の中に有害な物質が流れ、それがやがて土の上にまでのぼるというような状況であるのだが、その可能性がある類を「土壌汚染」と指している。「土壌汚染」に関わる物質の多くは貴金属や揮発性有機化合物、金属もあれば油にまつわるものである。

第2章「土壌汚染に関わる規制の現状」
土壌汚染に関わる規制は高度経済成長における公害によって四大公害病などの公害病に発展したことにより、敷かれるようになった。その敷かれた中でどのような変化が行ったのか、そのことを取り上げている。

第3章「土壌汚染対策の実態と課題」
法的な規制も敷かれた一方で、土壌汚染の対策も施されるようになった。その対策とは何かと言うと「調査」を行いながら「封じ込め」や「除去」といったことが行われた。

第4章「土壌汚染対策の費用負担問題」
「対策」を行うためには「費用」がどうしても必要になる。しかしその出処はどこにあるのかが大きなカギになる。それは国か地方か、実際に起こった事件をケースに取り上げている。

第5章「市街地の大規模土壌汚染対策に学ぶ」
「市街地の大規模土壌汚染」と言うと有名どころでいえば豊洲新市場問題が挙げられる。その新市場問題はいかにして起こり、現時点でどのような対策・補償などが行われるようになったのか、そのことを論じている。

第6章「土壌汚染対策法の改正」
第2章にて取り上げた「規制」は「土壌汚染対策法」であるのだが、その法律も改正の転機を迎え、実際に改正が行われた。今から14年前にあたる2003年2月のことであるのだが、どこが改正されたのかのポイントを解説している。

第7章「土壌汚染に関わる市場の動向」
土壌汚染対策も結局のところ業者があり、その業者の集まりによって市場ができる。その市場はいかにして形成づけていったのかを取り上げているのが本章である。

第8章「土壌汚染と瑕疵担保責任」
「土壌汚染」をするにもそれを行った人々がいる。どの人々に対してどのような責任を負わせるかと言うと「瑕疵担保責任」があるのだが、その責任は何か、そして負うこととは何かを取り上げている。

土壌汚染は改善しつつあるのだが、その中で新たな問題を引き起こされている部分もある。もっとも土壌汚染の対策は規制も含めて様々な角度から論じられている一冊と言える。