情報機関を作る 国際テロから日本を守れ

アメリカではCIA、ロシアではKGB、イギリスではSISと言った機関がある。それらは「情報機関」と呼ばれ、諜報活動を行うのみならず、防諜活動といい、海外の諜報を防ぐ行為も行うようなことさえある。

日本にも諜報を受けるようなことがあり、識者の中には「日本は情報的にも筒抜けの社会」と揶揄されるようなこともあるのだが、実際には内閣情報調査室(内調)といったものがあるので、ないわけではない。そもそも情報機関とは何か、そしてそれを国防としてどのような役割を担うのかも含めて取り上げているのが本書である。

第一章「情報で勝負する」
戦争というと武器で戦うようなことがあるのだが、第二次世界大戦後は冷戦と呼ばれ「核開発」と政治的対立にあるなど武器をしないような戦争もある。他にもサイバーテロなど国家的な情報戦が行われるなど情報の世界での戦争もある。そのため情報機関は重要な存在となってくる。

第二章「ヒューミントの工程表」
ヒューミントとは、

「人(スパイ)による情報収集活動。電子機器による情報収集活動(ELINT)に対していう。」「大辞林 第三版」より)

とある。そのスパイとなるため、そしてスパイ活動を行うにあたってのプロセスを取り上げている。

第三章「ヒューミントの同業組合」
スパイにも「同業」がああるという。その同業の中には「組合」なるものがあり、その組合にはどのような情報交換があったり、事件があったりしたのか、そのことを取り上げている。

第四章「歴史を動かした大物スパイ」
スパイの中には歴史に残る人物がいる。その中でも最も有名なものとして「ゾルゲ」がいる。そのゾルゲには日本を欺いたというのがあるのだが、そもそも有名なスパイガイル背景には歴史的な出来事があったという。

第五章「防諜体制をいかに築くか」
2014年に話題となった一つとして「秘密保護法」であるのだが、日本では正式に「特定秘密の保護に関する法律」のことである。軍事を中心とした国家機密を保護するための法律であるのだが、野党を中心とした批判意見も相次いだ。そもそも秘密保護法は海外にも一雄区存在しており、アメリカなどの同様の法律を参考にしたとも言われている。

第六章「ヒューミントのための組織と人材」
日本にも内調というような機関があり、ヒューミントもいるのだが、そもそも海外でも活躍できるような組織や人材が必要になってくる。

日本にも諜報機関や情報機関は必要であり、現にそういった存在はある。しかし本当にそれが機能しているのかというとなかなかそう言えないかもしれない。これから情報を中心とした戦争から避ける、あるいは戦うためにも情報機関はどうしても必要になってくる。その重要性を改めて知るきっかけとなる一冊であった。