21世紀 地政学入門

皆様は「地政学」といってもピンとこないかもしれない。そもそも「地政学」とは、

「政治現象と地理的条件との関係を研究する学問」「広辞苑 第七版」より)

とある。政治と地理というと縁遠いかもしれないのだが、「領土問題」を考えると合点がいくかもしれない。現在の日本では「竹島」「尖閣諸島」「北方領土」などの領土問題があり、それにまつわる国際間の政治的な駆け引きが行われている。他にも日本における地理から経済・軍事に関してどのような影響を与えるのかを考える事もまた「地政学」の役割である。その地政学は21世紀のなかでどのような変化をもたらすのか、日本を基軸におきながら中国やアメリカなどの国々の関係を中心に考察を行っている。

第1章「21世紀新世界」
21世紀は色々な面で変化をする。中ロが経済的・軍事的にも伸びてきており、アメリカは衰退しつつあるのだという。他にも朝鮮半島やアラビア半島において国境やどうなっていくのかも含めて2030年までの予測を立てている。

第2章「グローバル地経学」
「地経学」は「地政学」にも似ているのだが、少し異なる。それは、

「アメリカの経済的覇権力の回復に力点をおいた戦略理論の一環として生れた概念」「コトバンク」より)

とあり、ごく限定的な地政学を表しているに過ぎない。しかしながら、冷戦以後の中国・欧州はどのような変遷を辿っていったのか、地経学として捉えるとよいのかもしれない。

第3章「中国の夢」
かつて中国は「眠れる獅子」と呼ばれており、起きると恐ろしいのだが、その恐ろしさは眠りによって封印されている意味を成していた。しかしながら世界第二位の経済大国となった今では眠れる獅子どころか、目覚めて獰猛な獅子になっているようでいてならない。その中国では領土にしても、軍事にしても、経済にしても強硬な策を打ち続けている状況にある。その背景にはある「夢」が存在している。

第4章「米国リバランシング」
第二次世界大戦後、「世界の警察」としての役割を担っていたのだが、バラク・オバマ政権以後はその役割を終えようとしてるようでいてならない。もちろん中国などの国々の対策を行うこともあるのだが、自国の内政をどうにかすることが優先事項となっていることにある。

第5章「日本の戦略」
国際的にはこのような状態において、日本はどのような立ち位置にあり、なおかつ戦略はあるのかというと、あるにはあるものの表だって出ている印象にない。そのためか日本はますます孤立するのではないかと著者は推測している。他にも高齢化社会になっている内情もあり、それに関する戦略を立てる必要があるという。

第6章「日本の統治」
日本における統治機構はしっかりしているのかというとそうではない。弱点もあるのだが、それ以前に「検証」がなされておらず、安全な国家とは言い切れないことにある。その統治はどのようにしたらよいのか、その構築方法を提言している。

日本における地政学はどうなのか、それは国際関係からでもわかる一方で、政治的・経済的に日本はどの位置にいるのか、それが国際的に見てどうなのかというのもまた日本という国家がどうあるべきかを考える指針にもなる。そのために「地政学」はなくてはならない学問であり、それを知ることによって未来をどのようにして描く参考にもなる。

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