世界のすべてのさよなら

「サヨナラダケガ人生ダ」

この言葉は井伏鱒二が「人生足別離」を邦訳したものであり、井伏鱒二の言葉の中でも最も有名なものとして取り上げられている。もっとも人生には出会いと別れがあり、その中でも別れは必ずといってもいいほど遭遇するものである。仲間、友人、家族…挙げるだけでもきりが無いほどにある。そして人生の最後には「この世」の別れとなる。

それはさておき、本書は同級生4人の人間関係が織り交ぜられているのだが、様々な境遇の中で同級生たちはどのような「別れ」をするのかを描いている。

30代になると、私自身もしみじみ思うのだが、大きな「別れ」に遭遇することが何度もある。その「別れ」が自分自身の人生を変えることもあれば、そこからどのように立ち直るのかの「試練」になることさえもある。物語であるのだが、始まってしばらく経つ自分自身の30代の人生を重ねてしまうようなことも多々あった。

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