働きアリからの脱出―個人で始める働き方改革

株式会社オトバンク 上田様より献本御礼。
2016年から「働き方改革」が掲げられ、様々な場で改革が行われているのだが、その足取りは進んでいる、遅れているが業界によって差が見られているほどである。もちろん企業によっても現状維持で何もやらないところもあれば、働きがいや就労時間を本腰を入れて検討し直すといった所もある。

さらに言うと個人としても「改革」を行うことができるという。本書はそのパーソナルの面からの「働き方改革」を取り上げている。

第1章「「働き方改革」は個人が成長するチャンス」
著者が代表としている株式会社クロスリバーは「働き方改革」の支援会社であり、これまで500社以上の「働き方改革」を支援してきたのだという。その支援してきた中で調査を行ったところ、「働き方改革」が成功していると実感している企業はほんの一握りしか存在しないほどだという。どこに原因があるのか、会社としての風潮よりも、その風潮をつくる個人にスポットを当てる必要がある。

第2章「100年ライフで知っておくべき3つのこと」
時代は超高齢社会といわれており、100歳を超えても生きる方々もいるほどである。また働く人も還暦や65歳を迎えてもなお働き続けなくては生活できないという現状がある。100歳まで生きるために何が必要なのか、金銭面の貯蓄も必要なのだが、「健康面」での貯蓄も大切であるという。

第3章「働きアリから脱出して目指すべきもの」
「働く」「稼ぐ」は会社だけとは限らない。もっとも自分自身の仕事やスキルを磨くと言ったことは会社以外でも行うことができるという。その働きアリから脱して自分自身のライフスタイル、そして目指すべき目標を達成するための方法を伝授しているのが本章である。

第4章「脱出に必要な5つの気構え」
何も考えずに働く「働きアリ」から脱出し、真の働き方改革を行うための根本として「気構え」を持つことが必要になる。いわゆる「心構え」や「マインドセット」といったものである。全部で5つあり「エッセンシャル思考」や「ストレスとの付きあい方」「ITアレルギーの撲滅」「視点・視座の変化」「行動」あどがある。

第5章「内円で時間を創り出す」
「内円」とは自分自身でコントロールできる範囲のことを言い、自己管理や作業の工夫、スキルアップなどのことを表す、それをいかにして意識して変化させていくかが時間を創り出すことの大きな鍵となる。

第6章「今日からできる働き方改革(ソフトスキル編)」
自分自身のスキルを見直しながら、人間関係や態度などソフトの面からいかにして変えていくのか、その鍵となるのが「EQ」であるという。

第7章「今日からできる働き方改革(業務スキル編)」
成長をする、そして働き方改革を成していくためには業務的なスキルをいかにして変えていくのかも大切になる。その実用的な方法としてヒアリングや質問を重点的に見直し、業務にしても小さなことから見直すなどの方法を伝授している。

生産性を引き上げることによって、働きアリから脱出をし、ひいては働き方改革を個人でなし得ることができる。もちろんその改革の方法は本書の方法はその一種であり、それをいかにして自分自身の仕事に落とし込んでいくかは実践の方法次第と言える。