コンフィデンシャル あの会社の真実

本書のタイトルである「コンフィデンシャル」は英語の綴りで「Confidential」と書き、「機密」もしくは「極秘」という意味を持つ。会社の文書の中には社外では見せることのできない機密事項がたくさんあるのだが、本書ではそのコンフィデンシャルの内容を独自のルートで入手し、報道で出てこないような企業の裏側を取り上げている。ちなみに本書で出てくることは日本経済新聞電子版の有料購読者に対して毎週月曜日に取り上げた同名のコラムを書籍化している。

1章「「激震」の裏側」
会社の中には私たちでは知り得ない「争い」や「出来事」がある。その中には日本の政治以上に複雑に絡み合うものもある。また国以上に激しい変化の波に襲われ続けることもまた会社の宿命であり、その波の中には「激震」と呼ばれるようなことさえも起こりうる。
その「激震」と呼ばれた出来事について「東芝ダイナブック」や「ドコモ」「イオン」などの会社を取り上げている。

2章「本音の経営者」
コラム「コンフィデンシャル」は、企業で公開されなかったことや「本音」までも明らかにしている。その中でも「本音」は経営者の知られざることにも言及することがある。本章で紹介される「本音」はまさに日本経済新聞でしか明かすことができなかったものばかりである。

3章「足踏みするヤフー」
ヤフーは今もなおインターネットのトップを走る会社として有名であるのだが、その実を言うと、ミスが連続して起こってしまい、「足踏み」の様相であるという。そもそもヤフーはなぜ足踏みとなってしまっているのか、そのことについて取り上げている。

4章「異端・プリファードの正体」
本章で紹介される「プリファード」は、正式には「プリファード・ネットワークス(Preferred Networks)」であり、2006年に設立したディープラーニングの研究・開発を行う企業である。本書に出会うまでは私もこの企業は知らなかったのだが、トヨタも含めたリーディングカンパニーとも協業することで注目を集めているまさに「異端」の存在であるという。若い経営者の布陣となっているだけでなく、超大手IT企業とも対抗しうる技術などが持ち合わせている所で本章にて注目している。

本書のタイトルにはさらに「機密」の他にもう一つ意味がある。それは「親展」である。有料で読まれている方々のためだけに、日本経済新聞の独自の情報で手に入れた企業や業界の情報が所狭しと取り上げられていると言うものである。これから記すものは観ている方にとっては宣伝かもしれないが、月4,200円と割高かもしれない。しかしそれ以上に企業・業界・経済などビジネスにおいて知り得ない情報がより具体的に出てくるのであれば、本書の内容の如く価値が見出せるといっても過言ではない。