ミステリーの中には様々なものから証拠やトリック、謎を探し、見つけると言ったことが行われる。本書はその中でも「物件情報」から事件を解きあかすといった物語である。
探偵である一方で不動産情報について詳しく知っているという奇想天外な人であるのだが、ある事件を不動産情報から謎を読み解くというものである。しかもその情報がかなりマニアックで「利回り」「間取り」など誰でも分かるような情報から不動産投資家でしか分からない情報、さらにはそれらだけでは分からないような物件のトリックなどがコミカルに、なおかつ詳細に描かれており、不動産としての知識も面白おかしく学ぶことができる一冊である。
もっとも不動産のことについて分からないのであれば、本書から手を出すと良いと言えるような物語である。もっとも私自身も不動産投資や不動産にかんする情報は少しだけウオッチしていたのだが、遥かに超えるほどの深さに驚かされた。
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