「貧困」はどのようなところでもあるのだが、その中でも特に顕著なのが「子ども」の貧困であるその貧困に対してはドキュメントでも放送されたり、あるいは本書のように書籍にするといった事が挙げられる。その「子どもの貧困」の実態はいったいどのようなものなのか、取材を通して明らかにしている。
第1章「相対的貧困とは」
経済的な理由により、夢を追うことができない。それ以上に満足な教育を受けることができない。もっと言うと衣食住ですらもままならない家庭も存在するといいう。その金銭的な「貧困」もある。しかし本章ではそれどころか、身辺の不幸により、施設で育つことを余儀なくされ、「家族」を知ることができずに社会人になった人の「貧困」を取り上げている。それとともに政府が推進している「貧困対策」のズレも指摘している。
第2章「育つこと・生きること」
第1章で書き忘れたのだが、「相対的貧困」はお金がないばかりか、希望や夢も奪ってしまうほどの状況に陥ることを挙げている。特に深刻なのは後者であり、夢を奪うことにより、子どもたちの生きる希望を失っている現状にある。後者の起因として前者があり、親が仕事ができなくなってしまう事により、貧困にあえぐケースもある。
第3章「奨学金と貧困」
私自身も受けたことがあるのだが、奨学金は子どもたちの負担に重くのしかかるケースも少なくない。奨学金といっても多くは「貸与型」であり、実際のところ「学生ローン」と遜色ないものばかりである。奨学金と貧困については先日紹介した「ブラック奨学金」にも言及されている。
第4章「重なる困難 差し伸べる手」
金銭的な貧困ばかりが全てではなく、身辺的な事情により、貧困になってしまうケースもある。その中には生活そのものに支障を来したり、社会生活で生きていく上で深刻な悪影響を与えたりするケースまである。かつて社会現象になったドラマ「家なき子」が現実にあるといえる。
第5章「見つける・つなぐ」
その貧困に対して、見つけること、そしてそれをおつなぐことを行っている団体がある。本章ではその団体と活動内容などを紹介している。
第6章「母子家庭 就労8割・貧困5割」
学生の時に、母子家庭や父子家庭だった方々もおり、生活保護を受けている家庭も少なくない。金銭的な事情ではなく、社会的な視線も「偏見」により白眼視されることもあるため、なおかつ支援制度も満足に得ることができず、衣食住の生活面、さらには精神面などの負担が大きくある。
第7章「英国の挑戦」
ところ変わって英国でも同様の貧困があるのだが、どのような対策が行われているのかを取り上げているのが本章である。
「子どもの貧困」は今もなお残っている一方で、なかなかメディアにて取り上げられることがない。しかしながらここ最近では新聞はもちろんのこと、冒頭でも述べたようにテレビなどでも取り上げられるなど認知されるようになった。とはいえ、未だに批判があり、本書を取り上げた新聞社にも批判が寄せられたという。格差は付き物であるのだが、中には解決すべき「格差」もある。それは子ども貧困とて例外ではない。
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