なぜイヤな記憶は消えないのか

「記憶」と言うと、体験したこと、学んだ者などを蓄積するのだが、その中にはいやなもの、さらには悲しいもの、もっと言うと「忘れたいもの」も含まれる。しかしながら特にイヤなものはなぜか消えずにずっと残り続けることが往々にしてある。なぜイヤな記憶はずっと残り続けるのか、本書はそのメカニズムと記憶そのものの原理について取り上げている。

第1章「記憶を制する者は人生を制する」
人間にかかわらず、動物には多かれ少なかれ「脳」がある。その中には判断などの機関もあれば、記憶を蓄える要素も存在する。いわゆる学習機能があり、イヤなことや避けるべきことがあったときに回避する際役立つ。その「記憶」の機能がもしなくなったとしたらどうなるのか、そして記憶の機能をどのようにして付き合っていけば良いのかを取り上げている。

第2章「「そのままの自分」でいいわけがない」
人間の記憶は面白いもので、過去のものを作り替えることもできる。もちろんありのままの記憶のなかで少しだけ美化をするなどのことであるのだが、そっくりそのまま変えるケースまである。その記憶と「自分」というあり方について考察を行っている。

第3章「記憶は「今の自分」を映し出す」
そもそも「記憶」は作り替えているとはいえど過去の産物である。しかし過去からレールを引いて現在・未来へと流れている。そのため今の自分そのものは過去の「記憶」によって映し出しているのだという。

第4章「前向きになるための記憶健康法」
記憶は善悪、悲喜問わずに残るものであるのだが、その残る記憶とどのように付き合っていくかによって、生き方やマインドも変わってくる。著者は「記憶健康法」と題して記憶からどのようにして健康的に、かつ前向きな人生を送ることができるのかを伝授している。

第5章「心のエネルギーが湧いてくる記憶」
記憶にしても、どのようにして活用していくかによってマインドも異なってくる。ましてやマインドを使うためのエネルギーの出し方も大きく変わってくる。自分自身の記憶を掘り起こすための行動からどのように良い記憶を掘り起こしていけば良いのかを取り上げている。

第6章「記憶の貯蓄と記憶の塗り替え」
そもそも記憶はパソコンで言う所のメモリーやハードディスク(今ではSSDと言えば良いか)と言われており、机で言う所の「引き出し」にあたる。つまりは蓄積や貯蓄を行う機関でもある。その記憶については塗り替えもできるのだが、いかにして肯定的に人生を送ることができるのか、記憶の貯蓄や塗り替えによって変わってくる。

マインドの持ちようは記憶の持ちようなのかもしれない。人は色々な体験・物事から記憶をするのだが、その記憶の「持ちよう」によって人生は変わってくるのであれば、記憶は単純に物事をストックするだけでなく、「捉え方」もまたストックしたり、変えていったりすることが出来る。記憶は本当の意味で奥が深い。

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