AIとBIはいかに人間を変えるのか

AIは既に私たちの生活の中に浸透していると言っても過言ではない。またAIについては日々刻々と技術革新が進んでおり、より便利になるものとも言われている。

本書の話に変わるのだが、この組み合わせはまさに「異色」というほかない。そもそも「AI」は技術やシステムの概念、一方の「BI(ベーシック・インカム)」は所得保障の一種である。関わりのない2つの要素はこれからの社会の中で重要な要素になると著者は指摘している。その理由とはいったい何か、本書はそのことについて取り上げている。

第Ⅰ章「AI…人工知能とは」
言うまでもなく、AIは「人工知能」とも呼ばれ、最近ではコンピュータやシステムなどでもAI技術や概念がふんだんに使われるケースが増えてきた。今でこそ「AIブーム」と呼ばれているのだが、実際には今に始まったことではない。1950年代・1970年代と、いわゆるSF技術なるもので、ブームとなっていたことがあったという。

第Ⅱ章「ベーシック・インカム(BI)の仕組みと効力」
「ベーシック・インカム」については今から11年前に新書で出版された入門書の書評で取り上げている。もっとも今になってという事も考えてしまうのだが、今だからでこそベーシック・インカムの気運が高まってきているのも事実としてある。そもそもなぜ「ベーシック・インカム」が注目され、実際に導入されているのか、その背景について取り上げている。

第Ⅲ章「AI+BIの社会で人間はどう生きるのか」
AIとBI、2つの要素が絡むのもあるが、そもそも2つともこれから必要になる要素としてある。その要素がどのように絡みながらも、なおかつ社会の発展に貢献していくのか、そしてその発展が私たちの生活の中でどのような影響を与えるのか、そのことについて論じている。

AIとBI同じように見えて、実は違うもの。しかしながらこれからの社会で注目されるものであることがよく分かる。AIは現実的であるのだが、一方のBIは本当に日本で行われるのかは不透明なところが多くある。いずれにしても「これからの社会」を考える中で欠かせないのがこの2つの要素と言える。