消えた断章

推理作家を目指すとある大学生は妹の友人と出会うことに。その友人にはある事件に巻き込まれた。身内トラブルのように見えて、実は殺人事件だったという。その事件は友人の一家が崩壊する序章となったのだが、その事件の裏にはどのようなものがあったのかと言うものである。

推理小説というと、事件が起こり、謎を解明し、解決するといった一種のフォーマットのようなものがあるイメージだが、本書にはそれがなく、むしろ推理をすればするほど、さらなる謎が深まるというものであり、なおかつ違う視点で見るとその事件の真相も変わってくると言う、蟻地獄なのか、それとも万華鏡なのかわからない。

しかしながら斬新な推理小説であった事は間違いないため、よくある推理小説に飽きているのであれば一読の価値はある。