2100年となるともしも私が生きていれば115歳となる。生きているかもしれないのだが、ほぼ確実に生きてはいないだろう。そう考えると本書の示す世界を見ることはないのだから。
それはさておき、本書はシステムを駆使して、人口分布をはじめ、様々な角度でシミュレーションを行い、約80年後にあたる2100年はどのような世界に変わっていくのか、そのことについて取り上げている。
第一部「二一〇〇年の世界地図」
2100年となると、時期は22世紀になる。テレビアニメ・映画でもやっているドラえもんが生まれる時期にもあたる。
それはさておき、人口分布は長いスパンとなると、劇的に変化をする。もっとも現在の人口自体が100年前の同時期となると、ガラリと変わっている。それは文明にしても、出来事にしても、経済や技術発展にしても、想像も付かなかった「進化」や「変化」があったことも背景として挙げられる。
本書はあくまでシミュレーションによって人口の変化、さらには出生率の変化がどうなっていくのかを見ている。
第二部「後にいる者が先になる」
本書で取り上げる「アフラシア」は「アフリカ」と「ユーラシア大陸」の2つの言葉を合わせた造語であり、今後人口が伸びる、あるいは経済的な中心地になるのかこの2つであることを踏んでつくられた。
かつては「欧米列強」と呼ばれ、第二次世界大戦後はアメリカが中心地となった。しかし時代が変わるにつれ、人口増加と経済発展の状況によって、変わるようになり、アジアやアフリカといった大陸がアメリカやヨーロッパを含めた先進国を凌駕すると指摘している。
第三部「アフラシアの時代」
アフラシアが席捲していく中で看過できない部分としてはイスラームがある。イスラームというと過激派や原理主義といった考えを持つのだが、むしろ広がりを見せることによって、「交易」を果たすことになるとある。
また言語についても数としては英語・中国語などが多くあるのだが、後にアラビア語も広がりを見せるのでは無いかという指摘もある。
未来はわからない。わからないからでこそ、色々な手段で予言をしたり、シミュレーションを行ったりする。本書は過去のデータから見た未来を映し出しているのだが、未来の中で大きな出来事は想定していない。しかし「もし」2100年になったらどうなるのか、それを考える、あるいは妄想する中での一つの材料になるのかも知れない。
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