僕は僕の書いた小説を知らない

人によっては趣味として小説を描いたり、ブログを書いたりする方もいる。しかし書いたことは全て覚えているかというと決してそうではない。かくいう私も、当ブログにて記事だけでも5700記事、そのうち書評は5000記事近くにまで上っている。

もう15年ほど続けているせいか、印象に残っている記事・本以外はほとんど覚えていないこともしばしばである。ましてや書評を行おうとしたらもう既に行っていて、重複してしまうこともたまにある。

私事はさておき、本書はとある小説家記憶自体が1日しかなく、翌日になったら、その記憶がきれいさっぱりと無くなってしまう病気にかかってしまう。しかし無くなってしまう恐怖に駆られながらも、思い出を、物語を残すべく、葛藤しながらも闘っていくさまを描いている。1日はもちろんのこと、何時間経つと記憶を失ってしまう病気にかかるといった作品はいくつも目にするが、小説家自身がその病気に対して葛藤する描写は、一応書き手である自分としても心に刺さる。

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