共犯者

本書はミステリーの中でもよくある、1つの殺人事件を追っていくというものであるのだが、その殺人事件が意外な人間関係をあぶり出していくこと、さらには家族や警察、世論まで動き、やがて壊れるなど1つの殺人事件をきっかけに、人間、あるいはその周りの人びととの関係にある「闇」が明らかにされるという一冊である。

もっとも事件の謎を解き明かすと言うよりも、むしろその謎解きの中に出てくるなかでの、世間・人間関係の変化が非常におどろおどろしさが出ており、あたかも「パンドラの箱」が開いたかのような怖さもある。そういったパンドラの箱が本書のタイトルにある共犯者とさえ考えられるように。もちろん謎解きもスリリングであるため、本書はよくあるミステリー作品の中でも王道と呼ばれる一冊と言える。

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