カラスというとネガティブなイメージが多くある。もっともこの時期になると繁殖期にもなり、親ガラスは警戒心が強くなる。それ故か、カラスが人を襲うようなことも度々ある。かくいう私も小学校の時ではあるものの2度襲われたことがある。
しかし本書はカラスに対して食べたり、飼ったりすることができるのか、という通常とは異なる見地でカラスを取り上げている。
1章「フィールド武者修行」
カラスの研究を行うためにはフィールドワークにおいて、カラスの生態を間近で観察を行うことが必要である。さらにはフィールドワークを行うにあたりある「レーダー」が使われたがカラスではなく、カラスと時には対立するある動物のレーダーである。
2章「カラスは食えるか」
そもそもカラスは食べられるのだろうかという疑問がある。私自身も人づてで聞いたたため、出典はないのだが、カラスは雑食であることから、肉自体が臭く、食べられたものじゃないと言うことを聞いたことがあるのみであり、実際に食べられるのかどうかはわからない。
しかし実際にジビエとして提供されている所もあれば、別の研究者にて、カラスを食用して見たということまで行っている。
では本章ではどうかというと、食べられるかというと食べられる。しかしカラスは国によって「聖なる鳥」としても扱われ、食べること自体が「禁忌」としているという。
3章「人気の鳥の取扱説明書」
カラス以外にも色々な鳥がいる。本章では鷹やフクロウが主となっているが、カラスに負けず劣らず(?)の「人気の鳥」であることから取り上げられている。
4章「そこにいる鳥、いない鳥」
鳥の中には有名で有、なおかつ身近なところで見られる鳥もいれば、有名ではあるのだが、身近な場所にいない鳥もある。本章では前者にてカササギ、後者をドードーを代表して取り上げている。
5章「やっぱりカラスでしょ!」
アニメやマンガ作品の中にはカラスを飼っているといった描写がある。では実際に飼うことができるのかと言うと、事実上不可能であるという。その要因について説明していると共に、そもそものカラス研究の醍醐味も論じている。
カラスに限らず、物事は人それぞれ異なる。もちろんカラスも見方によれば、面白味のある鳥とも見て取れる。その「面白味」がふんだんに詰まっているのが本書であり、私たちでは知ることのできないカラスの魅力がそこにあった。
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