割引切符でめぐるローカル線の旅

私自身、「旅」に対しては強いあこがれを持っている。しかしながら本当の意味で旅をしたのは今から5年前の1回だけで確か萩・神戸・名古屋と1週間で3カ所を回る旅だった。それでも楽しかったが、もう少し旅を楽しみたいという気持ちは残っているが、仕事の関係上なかなかそういう風には行かない。ただ機会があれば旅をしたいと思っているが、その際はちょっと面白い旅をしたいという気持ちがある。

そこで本書である、電車には「乗り放題」と呼ばれる切符が存在する。その切符はどのようなものがあり、どう楽しめばよいか乗り放題という名の割引切符の魅力とローカル線の旅の醍醐味を取り上げている。

第一章「乗り放題切符の横綱「青春18きっぷ」」
「青春18きっぷ」の名前であれば自分自身もよく知っている。しかしながら冒頭にも述べた通り旅をする機会がほとんどなかったこともあり、具体的にどのように使ったらよいのか、どのように買ったら良いのかよく知らなかった。具体的に言うとJR全線で利用できる割引切符で、「若者の旅行を応援する」をコンセプトにして「18きっぷ」とあった。この「18」という数字が「年齢制限があるのではないか?」と疑う人も多かったものの、JRのPRを重ねていったことで、その誤解を埋めることができた。最近では若者向けのみならずシニア向けの「18きっぷ」も販売されるようになったという。

第二章「「青春18きっぷ」で旅するローカル線」
第一章でも述べた通り「青春18きっぷ」はJR全線で使用することができる。そのことからこの切符を使って全国津々浦々のローカル線を旅することも可能である。しかし1日で行うという弾丸の概念をはるかに超えるようなことではなく、その地方独特の路線を攻めるだけでも十分にローカル線の旅を満喫することができる。本章でも北海道から九州までのローカル線を紹介しつつ、青春18きっぷを使っての旅の醍醐味を伝えている。

第三章「JRの乗り放題切符」
「青春18きっぷ」以外にも「北海道&東日本パス」をはじめ、地域限定のパスも存在する。そのパスだけを利用したり、18きっぷと併用したりして旅を楽しむ人も結構いるという。そのパスの特色についても使い方とともに取り上げているのが本章である。

第四章「私鉄各社の乗り放題切符を楽しむ」
「青春18きっぷ」をはじめとした乗り放題の切符やパスはJRの専売特許ではなく、私鉄各社にも存在する。私鉄にも独自の乗り放題の切符があるのだが、それらは都心部の大手私鉄会社が行っているものもあれば、複数の私鉄が連携を取り、私鉄だけで楽しむことができる切符・パスも存在する。本章ではそれらを紹介している。

第五章「都市の乗り放題切符」
都市部でも、都市部だけで使うことができる乗り放題切符が存在する。例えば鉄道各社が行っている「1日乗車券」もまたその一つである。その「1日乗車券」を使うだけでも使いようによっては「安近短」を十分にかなえられる立派な「電車の旅」として楽しむことができる。しかも「青春18きっぷ」や「北海道&東日本パス」に比べてずっと安価で購入することができる。

割引切符を紐解いてみると、いろいろな切符が存在する。その存在する切符を使って旅を満喫することができたら、コストパフォーマンスも良く、なおかつ旅を満喫することによって心も満たすことができる。その一手段を本書は示している。