仕事で頭ひとつ抜きん出る裏トーク術

トークというものにも様々な方法ややり方がある。仕事をしていく上で社員であれば、営業での人間関係をより円滑に動かすことができ、上司はリーダーシップ力をつけることが容易になり、社長となれば名声を上げることも可能である。方法論は違えど社会に生きていく人たちにとってトークの技術を上げるというのは、永遠の課題と言えよう。本書は日本一高いコンサルタントである佐藤昌弘氏と臨床心理家の堀之内高久氏がトークのやり方とケーススタディを伝授する1冊である。

第1章「第一声で相手を自在に操る方法」
著者の一人であるコンサルタントの佐藤氏は第一声をこの3つに使い分けている(p.35より)

「さて、今日はどんなことに悩んでいらっしゃるんですか?」
「さて、今日は何をお知りになりたいのですか?」
「さて、今日はどんなお手伝いをさせていただければよろしいですか?」

一見似たり寄ったりのように思える。しかしその言葉の違いがわからなければコンサルタントが勤まらないという。その他にもDMなどの広告のフレーズも相手を自在に操る方法の一つである。

第2章「その場をしのぐ8種類の裏トーク術―「近づく、売る、断る、謝る、怒りを鎮める、言い訳をする、誤解を解く、許す」」
様々な場合分けをしてどのように話したらいいのかというのについて書かれている。

第3章「トイレ休憩―日本一高いコンサルタントのシークレット・ファイル」
コンサルタントがコンサルを行った3つのケースを紹介している。主婦、工務店の2代目、起業家と言った人たちだが、コンサルタントというのは成功や解決の方法について伝授する立場だが、ケースがケースなだけにここの中に裏トーク以上のヒントが隠されているとなると本書の3章が最大の肝といってもいいだろう。

第4章「「人間関係の達人」だけが知っている! コミュニケーションの裏側」
「人間関係の達人」といってもパッと浮かんでこないが、人間関係が円滑に進められる人を表していると自分自身で解釈する。その中でより円滑にするにはどのようなコミュニケーションをしていけばいいのかというのが著者自身が編み出したテクニックについて書かれている。

第5章「第六感を磨く3つのトレーニング法―「共感覚・身体直感・ミラーリング」」
上記のようなこともコミュニケーションの一つである。

「共感覚」…気持ちや感情を色や絵、味で表してみると言った方法。これがなかなか面白く、感性を磨くということと通底する。例えば音楽をやっていた人であればあの人の性格はこの曲のようであるとか、小説を読むのが趣味であればあの人はあの小説のあの人物だなとか、映画鑑賞が趣味であれば…という感じである。コミュニケーションを身につける方法は本書を読んだりすることも大事だが、それ以外にも様々なことに触れ、感性を鍛えるのもいい。

「身体直感」…「自分の体でどのように感じるのか」というもの。自分の体に喩えるというのはコミュニケーション能力だけではなく「決断力」や「意思決定力」の向上にもつながるという。

「ミラーリング」…相手の身になって考えることである。3つの中では私の中では最も難しい。というのは自分で話すとなるとどうしても主観的になる。当然自分自身で考えることになる。相手の身になって考えるとなっても当然自分が相手はどう思ってどう考えているのかというのは私見も入っているため齟齬が生まれやすい。しかし、コミュニケーション能力の向上の最後のカギがこれである。相手の気持ちを正確に読み取り、考えることこそ人間関係構築のための最大の武器となる。

コミュニケーションにも様々な方法がある。それと同様にコミュニケーションを向上する方法はごまんとある現在、コミュニケーション能力というのが重要な位置づけを示している。本書は技術本ではあるが、第3章のような特殊なケース、第6章の「第六感を磨く方法」という所で他のコミュニケーション本とは一線を画している。私の中では非常にいいコミュニケーション本であったと思う。

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