『レ・ミゼラブル』の世界

今からちょうど155年前に作られたロマン主義の大河小説がある。その名も「レ・ミゼラブル」。元々は「悲惨な人々」を意味している悲劇なのだが、その悲劇は小説の枠を超え、映画やアニメ、ミュージカルにも展開していった。特にミュージカルの世界では「夢やぶれて」「民衆の歌」は一つの曲として一躍有名となった。そもそも「レ・ミゼラブル」はどのような小説で、その小説を描いたヴィクトル・ユゴーの思想とは何かも併せて取り上げている。

第1章「『レ・ミゼラブル』とはどんな小説か」
「レ・ミゼラブル」という小説とはどのような小説なのかと言うと冒頭でも述べた通りであるのだが、全部で5部構成の大長編である。もっとも一つ一つにもそれぞれのキャラクターにフォーカスを当てて描いており、他の媒体展開もその中でも一部を取り上げられることが多い。

第2章「ふたりのナポレオンと『レ・ミゼラブル』」
この作品の中でも切っても切れない存在として「ナポレオン」がいる。ナポレオンと言っても「ナポレオン・ボナパルト(ナポレオン1世)」を連想するのだが、本章でもその「ナポレオン」の一人として挙げている。もう一人がフランス帝政最後の王である「ナポレオン3世(通称:ルイ・ナポレオン)」である。そのナポレオンが切っても切れない理由とは著者であるユゴー自身が政治に参加していたことにある。

第3章「再執筆とナポレオンとの訣別」
ナポレオンとの訣別とは何かというと、ナポレオン1世が独裁化をし始めたときに元々は熱烈な支持者だったのだが、その変化により反対派に回ったことに始まった。その反対派に回ったことにより弾圧を受けるとともにフランスからベルギーへと亡命していったことにある。その訣別の前にも書いてあったのだが、政治活動に集中したことから一時休止し、その訣別が終わった後に執筆を再開した。

第4章「ジャン・ヴァルジャンとはどういう人物か」
「レ・ミゼラブル」の主人公こそジャン・ヴァルジャンである。そのヴァルジャンは小説の中で様々な出会いや数奇な運命に出会うこととなったのだが、その出会いによってどのような変化をしていったのか、物語に基づき紐解いている。

第5章「「哲学的な部分」とユゴーの思想」
長きにわたり執筆してきた「レ・ミゼラブル」にはユゴーならではの思想・回想がふんだんに盛り込まれている。その物語の中でユゴーはどのような思想を持っていたのか、それをあぶりだしている。

今となっては世界中で愛されている不朽の名作となった「レ・ミゼラブル」。しかし読み解いてみると単なる小説では語り切れない「何か」がある。それは歴史でもあり、しそうでもあるのだが、「何か」の片鱗を垣間見たのが本書とも言える。

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