愛される資格

人は愛し、愛される存在である。しかしその愛されるためには、まずは愛する気持ちを持つことが必要であるのだが、その愛することを行ったとしても必ずと言ってもいいほど愛されるというわけではない。

本書は上司に対して不満を持っていたある部下が復讐のためにその上司の妻に対してある「仕打ち」を行うという一冊である。

愛憎と言うよりもむしろ「憎しみ」が暴走し、その周囲の人物を不幸にさせようとしていた。しかしその奥底には他ならぬ「純愛」の感情が芽生えるようになった。それが育まれ、先述の「愛憎」が生まれるようになった。

ちなみにその愛憎溢れるシーンはいわゆる「官能小説」のそれに限りなく近いような描写であるためそれについて苦手な方にとってはけっこう刺激の強い一冊である。