笑う赤おに

本書の舞台は高齢者福祉に力を注ぐ都市として有名であるのだが、その都市には高齢者だけでなく、ある種の「弱者」たちが住むようになる。その弱者は様々な「理由」があるのだが、その「理由」は今の社会の風刺を表していると言っても過言ではない。

しかしその都市に住む2人が遺体となって見つかった。なぜ事件が起こったのか、そこに眠るトリックにもまた社会に潜む「闇」が映し出されているように思えてならない。その「闇」は私たちでもよく知っているようで知らないとも言え、なおかつ自分自身が思っている以上に深いものであった。

社会の縮図とも見紛うような一冊であったのだが、誇張しているとはいえ、事件以外は現実にも起こりうる、というか起こっている部分もある。そのことを考えると、後味の悪さと共に、これからの社会はどうなるのかも考えさえした一冊であった。

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