モチベーション・マネジメントの真髄 ダイバーシティ時代の部下の束ね方

モチベーションは仕事を行っていく上でも非常に重要な要素である。そのモチベーションをいかにしてマネジメントをして行くのかもまた、技術や考え方などが必要であるのだが、自分自身のみならず、上司・部下など組織にいる人たち全員にそれを伝播させるといったこともまた必要なことである。本書はダイバーシティ(多様な人材活用)と呼ばれる時代の中でどのようにして組織的なモチベーション・マネジメントを行うべきか、松下電器産業(現:パナソニック)の創業者である松下幸之助の言葉・考え方などをもとにして伝授している。

第1章「新たな気づきを与える」
時間や視点や考え方などから新たな「気づき」を与えることによってモチベーション・アップにつなげることができるようになる。時間軸を伸ばしたり、納期を持たせたり、さらには会社の歴史を知ったりすることによって時間の感覚を植え付けさせる、あるいは物事を俯瞰する、ポジティブになるなどの視点的なアプローチを持つといったことを取り上げている。

第2章「新たな行動を引き出す」
行動をするにしても、成功と失敗が出てくるのだが、それをより良いもの・具体的なものにしていくために行動の仕方を変えることが必要になってくる。社会的使命を帯びるなど行動のベクトルを変える、あるいは行動をする際に「禁止」するなど、あらゆることを制限する、そして行動ができない方々であれば背中を押すといったこともまた一つの手段である。

第3章「行動を定着させる」
行動をすることによって反省点や改善点、さらには結果がついてくる。そのついてくるようなものをいかにして悪いところを改善しつつ、定着していくのか、その心構えと方法を伝授している。

ビジネスにおける様々な要素は今も昔も変わらない部分があるということを教えてくるような気がした。松下幸之助の名著から取り上げながらモチベーション・アップを提示したのだが、その提示した要素は今も昔もある。その変わらない「根幹」の在り方が見えた一冊と言える。