地方都市は様々な手法を取り入れつつ、強い都市をつくっていったのだが、中でも福岡県福岡市は周囲から「地方最強の都市」となったのだという。九州最大の都市であり、今地方で広く注目を集めている。その最強の都市となり得た要素とは何か、そのことをあぶり出した一冊が本書と言える。
第1章「まちづくりは「常識」を疑え!」
まちづくりには実際の所「セオリー」や「常識」といった言葉がないように思えてならない。その常識やセオリーを無視して「あえて逆をやる」といったことや利益にこだわると言ったことを行う、またかつて総務省が行ったような「変な人」を募集するよろしく、変人を大切にするような風土もまた福岡市ならではの特徴であるという。
第2章「福岡市は「ここ」がすごい!」
福岡市がなぜ「地方最強の都市」と呼ばれているのか、その真髄がデータ上にて詰まっている章と言える、若者人口の割合の高さ、観光客増加、さらには純粋な「人口増」、さらには人口密度や都市計画の観点からも「地方最強の都市」と呼ばれる要素が多々あるという。
第3章「福岡市5つの「常識破り」」
福岡市のまちづくりは「常識破り」といった言葉がよく似合う。その常識破りと言えるような要素は多々あるのだが、その中でも本章では個性を光らせるようなインフラ・都市計画・マーケティングなどのことを取り上げている。
第4章「福岡市を変えた10の「覚悟」」
「常識破り」のまちづくりを行うにしても人それぞれの「覚悟」を持つことが大切である。その覚悟を持った人物を取り上げつつ、福岡市を変えていくための「覚悟」を10個紹介している。その中には福岡市のみならず、日本に大きな影響を与えた人物もいる。
第5章「経営視点で見える「福岡メソッド」」
地方行政を支えるにしても、経営的な考え方や視点は大切になってくる。その大切な要素である「視点」もまた独特であり、「福岡メソッド」と呼ばれるほどであったという。そのメソッドには都市経営の視点からどのような「戦略」を考える事もまたメソッドにあるという。
第6章「福岡市の「制約」と「未来」」
改革を行ったり、成長を行ったりしていくために様々な「制約」が存在する。その制約を糧にしてどのような改革を行っていくのか、その方法を伝授している。
福岡市が「地方最強の都市」である所以は様々あるのだが、そのモデルケースをもとに、その地方にあった都市改革を行っていくことによって地方は強いモノになっていく。地方が強くなっていくためには本書のようなケースを知り、その地方にあったスタイルを構築することが必要なのではないかと本書を読んで思った。
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