宇宙エレベーター その実現性を探る

もはやSFなのかと思ってしまうようなタイトルであるのだが、宇宙における開発技術が向上することにより、現実化するような姿が映し出せるようにまでなっている。そのような状況の中で宇宙エレベーターがいかに開発されるのか、宇宙開発の歴史と未来を見据えながら取り上げている。

第1章「宇宙エレベーターとは?」
宇宙エレベーターの構成や特徴について取り上げられているのだが、どこかSF小説やアニメに出てくるようなものにも似ているような気がしてならなかった。

第2章「実現性と最新テクノロジー」
もっとも第1章にて取り上げられた構成を見ると「空想科学」なのかと思ってしまうようなものだが、実際には宇宙開発が進んでいるため、可能性は高くなりつつある。とはいえ、それでも限りなくゼロに近いと言ったものも否めない。しかしながら実現すべく、小規模であるのだが、実験が行われたのだという。

第3章「宇宙空間の法律と安全保障」
宇宙空間にエレベーターをつくるためにも安全保障は必要であり、なおかつ国の枠を超えた「法律」構築も必要である。そもそも宇宙における安全保障や法律といった概念は、国会でUFOや宇宙人の侵略に対して議論を行うと言った、国民の側から見たら呆れてしまうようなことさえもあった(今年も行われたほど)。ちなみにそういった議論は日本に限らず、アメリカ政府でも行われ、ガイドラインも示されるほどである。
話が脱線してしまったのだが、UFO襲来というよりも、宇宙開発により空から宇宙に発展したときにどのような法律・条約を構築すべきかといった議論も必要になってくるのではないかと考えた章と言える。

第4章「特別インタビュー」
宇宙エレベーターについて建設・JAXA・JAMSSといった3人にインタビューを行い、宇宙エレベーターが建設される可能性から実用性に至るまで語られている。

第5章「宇宙開発の歴史」
宇宙開発自体は歴史が存在しており、その中でも「アポロ計画」は宇宙に行くことができる可能性とリスクを映し出した。他にもソ連(ロシア)の宇宙計画から日本やヨーロッパ、中国なども宇宙開発に進出して、進化していった経緯を取り上げている。

第6章「宇宙エレベーターが開く未来」
宇宙エレベーターが切り拓く未来の姿とはいったいどのような姿なのか、宇宙観光や宇宙良い、さらには人工衛星やインフラの整備など様々な面で「夢」と呼ばれるようなものが出てくるのだが、いったん現実に戻り、どのような姿になるのかをシミュレーションしている。

今もなお「空想」という域には脱してはいないのだが、技術や開発の進歩からすると、そのことが現実になる日も来るかもしれない。その現実に来たときにいったいどのような未来となり得るのか、それは私でも想像ができないほどである。