この時代に投資家になるということ

今となっては安定した景気にある時代であり、投資を行うのに適しているのかというと、必ずしもそうとは言えない現状にある。その現状から著者は投資家となり、企業も経営しているほどである。ではなぜ投資家となったのか、そしてお金を稼ぐこと、投資をすることはどのようなことなのか、そのことを取り上げているのが本書である。

1.「「ミレニアル世代富裕層」の登場」
「ミレニアル世代」とは

「アメリカで、2000年代の初頭に成年期を迎えた世代のことをいう。M世代、ミレニアルズMillennialsともよばれる(ミレニアルは「千年紀の」の意)」「コトバンク」より)

とある。私自身も33歳であり、2005年に20歳の成年期に入ったため、ミレニアル世代の一人と言える。それはさておき、著者や私周辺の人びとの活躍は目覚ましくあり、著者のように投資で財を築いた人もいれば、事業などを興して時の人のようになる人もいる。

2.「労働の終焉」
では著者はどのような「労働観」を持っているのか。著者はもはや労働自体は、明日仕事がなくなったときにどうするのかが考えられくなる、いわゆる「麻薬」と見立てているという。かねてから日本ではポジティブなものとして言われていたのだが、西欧ではむしろ歴史的にもネガティブな印象をもたれている(「ホモ・ファーベル―西欧文明における労働観の歴史」でも取り上げている)。

3.「インターネットで投資の「プロ」が絶滅した」
元々投資は短期間で稼ぐと言った印象を持たれるのだが、実際は見極めなどをじっくりと行い、長期的な観点で稼ぐといった人もいるのだが、著者はまさに想像通りであるという。既にSNSにて手軽に、なおかつ短期的に投資を行うことができると喝破している。

4.「消費者視点から投資家視点へ」
視点についても言及している。物事を見るための「視点」について、消費者の側ではなく、「投資家」として経済などをのようにして見ていくのかを提示している。

短期的に稼ぐことも方法の一つ出るのだが、損失を被ったり、下り坂になったりすることも急速に起こるリスクがある。稼いでいる人が明日になれば一文無しになるような状況、何が起こるか分からないからでこそ、労働にしても投資にしても様々な視点を持つことが必要である。本書における若手投資家の立場の視点を知ることでそう思った。