誰も語らなかった 知って感じるフィギュアスケート観戦術

今ホットなシーズンかどうかはわからないのだが、フィギュアスケートの熱は今も冷めていない状況にある。しかしフィギュアスケートといっても、単純に高度な回転技だけが評価されるわけではない。演技にしても技術にしても高いものが要求されるのだが、そもそも審査基準はどこにあるのか、そして観戦をする立場としてはどのようなところをみた方がよいのか、トリノオリンピックの金メダリストである著者が解説している。

第1章「ルールと採点基準」
予め記しておく必要があるのだが、本書が出版されたのは2013年の12月である。つまりはソチオリンピックの2ヶ月前に出版されたものである。そのためルール自体は今と出版当時とは変わってくることは断りを入れておきたい。その上で本性では現在のルールも取り上げられているのだが、ほかにも、よく注目される回転(サルコウやアクセルなど)のメカニズムも図解にて取り上げられている。

第2章「ワンランク上のシングル競技観戦」
現地で観戦する方々もいる。現地だとテレビでは放送されないところまでみることができるため、選手の演技を見れるだけでない楽しみがあるという。練習にしても、戦い方の違い、選手たちの表情など、現地観戦には様々な要素があるのだという。

第3章「選手たちの舞台裏」
選手たちは演技前後の舞台裏はどのような心境なのか、過ごし方なのか、先取の立場だからでこそわかる内容が詰まっている。演技のためにといった雰囲気が詰まっているという。

第4章「振付師とコーチたちの役割」
フィギュアスケートの演技はほぼ一人ないしは二人と競技によっては異なるのだが、その演技を支える立場として本章にて紹介される振付師やコーチの存在が必要不可欠である。もちろんそれらの存在はネームバリューもあるのだが、それはさほど重要ではなく、むしろ「相性」が重要であるという。

第5章「私のオリンピック体験」
著者自身は冒頭にて取り上げたトリノオリンピックのほかに1998年の長野オリンピックにも出場していた。そのオリンピック体験と、そこからソルトレークシティオリンピックの時期を経て、トリノオリンピックまではどのような心境だったのか、自らつづっている。

第6章「ソチオリンピックのでの戦いはここに注目」
すでにソチオリンピックは行われ、男子は羽生結弦、女子はアデリナ・ソトニコワが金メダルを獲得した。特に女子シングルでは終了後騒動が起こったことは有名な話である。本書は大会前のためどのような選手に注目が集まるのかを取り上げている。

第7章「メダル候補たちのここに注目」
著者が現役、もしくは引退直後あたりから現在にて活躍した選手たちがどうであるのか、国内外問わず、著者が注目した選手たちを取り上げている。

フィギュアスケートは本書を読んでいくと奥が深い。もちろん演技の美しさもあるのだが、それまでのプロセスは様々な要素がある。アニメ「ユーリ on ice」にても取り上げられていたのだが、選手の立場から心境や演技のあり方に至るまで解説されており、フィギュアスケートの観戦では必携の一冊といえる。

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