手を洗いすぎてはいけない 超清潔志向が人類を滅ぼす

今は去ったものの、今年の1月から2月にかけてインフルエンザが流行した。私自身はそう言う時期でもよく外出するのだが、外出先の中には石鹸も殺菌能力の高い薬用石鹸が置いてあったり、ドアの近くや洗面所にアルコール消毒が置かれていたりとある。もちろんかくいう私自身も外出により手汗や汚れが気にしてしまい、手をよく洗うことが多く、なおかつアルコール消毒をする。

しかしながらその傾向に一石を投じているのが本書である。元々から清潔傾向にあるのだが、それが先鋭化していることに危機感を抱いている。またその清潔志向によってかえって体が弱くなっているとも指摘している。本書はその理由について主張をしている。

第1章「手を洗いすぎる人は、なぜ体が弱いのか?」
主にインフルエンザの対策の一つとして「手洗い」がある。もっともインフルエンザで亡くとも手がベタベタすることの多い私はよく石鹸で手洗いをするとがあるのだが、そもそも人の手の9割は最近があり、薬用石鹸を使うことで、殺菌されてしまう。そのことで新しい菌が入ってしまい、風邪や病気になりやすい体質になってしまう。

第2章「清潔志向がアレルギーを増やしている」
清潔になることは良いことかもしれないのだが、それの度が過ぎるとかえってアレルギーを増やすと言った事があるのだという。そもそもワクチンや殺菌にしてもある種の「イタチごっこ」の如く新しい菌や、耐性菌が生まれていく。

第3章「異常すぎる日本の清潔志向」
もっとも日本人は清潔志向であり、きれい好きであることは海外の目から見ても明白であるというのだが、それがむしろ「潔癖化」しつつあり、なおかつその度合いが強くなってきていると指摘している。

第4章「マスク大好き日本人の愚」
色々な場所に行くのだが、行った先で必ず1人か2人、最近では半数以上がマスクをつける。かくいう私も花粉症の時はクシャミが繰り返し出てしまうため、飛び散らないようにあえてマスクをつけることがあるのだが、基本的に私自身はマスク嫌いである。
それはさておき、マスクをつける人が多くなっている印象が強いのだが、それもまた著者は効果がないと指摘しており、マスクが広がっていることも「異常」であるのだという。

第5章「きれい好きをやめれば、免疫力が強くなる」
本書はとらえどころによっては不潔でも良いという印象を持たれがちであるのだが、きれい好きや潔癖症から脱するだけであり、ゴミ屋敷や汚部屋、さらには身なりを不潔にしなさいと言っているではない。あくまで菌といかにして付き合い、健康にしていくのかを取り上げている。

第6章「手はゴシゴシ洗ってはいけない」
手を洗うことは悪ではないのだが、その度が過ぎるとウイルスなどの免疫が弱くなり、むしろ大病にかかってしまうこともあり得る。

かつて日本では現在のような潔癖やきれい好きでないにしてもある程度はきれい好きであった一方で、菌との付き合い方も上手かったように思える。その菌の付き合い方によって長く健康にいられることもあり、なおかつ生活習慣病なるものもほとんどなかったという。しかしながらその菌に対する嫌悪感が広まりつつある中消毒や殺菌・除菌なるものが出てきており、むしろ弱くなっているのかもしれない。本書を通じて「菌」といかにいかにして付き合うか、そのことを再考する必要がある。

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