発酵文化人類学 微生物から見た社会のカタチ

日本では発酵食品が数多く、親しまれているのだが、そもそも発酵もまた「文化」の一つとして挙げられる。もっとも発酵技術はなぜつくられ、広まっていったのか。そして経済的、文化的な影響とはどこにあるのか、本書は「発酵文化人類学」という本書に出会うまで一度も聞き慣れなかった学問をもとにして考察を行っている。

PERT1「ホモ・ファーメンタム」
元々発酵の歴史を辿ってみるとワインがあり、考古学的に考えていくと今から8000年程前にコーカサス地方にて確認されたものがある。もっともワインもブドウを発酵して作られた酒であり、そこから様々なものが発酵されるようになった。日本の「古事記」でPERT7にて紹介される「ヤマタノオロチ」でも出てくる日本酒もまた米を発酵してつくられたものである。

PERT2「風土と菌のブリコラージュ」
日本では最も親しまれている発酵食品の一つとして「味噌」がある。味噌自体は大豆や米、さらには麹を発酵してつくられた調味料である。日本料理の中で欠かせない調味料であるのだが、その味噌は最近ではあまり見られなくなったのだが、DIYといった素材を集めて、「自家製」で発酵するといった方法について考察を行っている。

PERT3「制限から生まれる多様性」
発酵が行われるには様々な「制限」がある。その要素は「気候」や「風土」といったその国、もしくはその地方にしかない要素が色濃くある。しかしながらその条件を逆手にとって、様々な発酵食品・技術が生まれたと言える。そのクリエイティブはどこから来ているのかを取り上げている。

PERT4「ヒトと菌の贈与経済」
ヒトもまた菌を取込み、また吐き出している。その吐き出しの中では別の生物が受け取り、それがやがて発酵していく。贈与経済というのはよく言ったもので、菌などの贈与を繰り返すことによって生態的、発酵的な進化を遂げてきた事実がある。

PERT5「醸造芸術論」
発酵技術の根源的なものとして「酒」である。ワインにしても、ビールにしても、日本酒にしても、様々な発酵によって生まれた。その酒が生まれたツールと感性について追っている。

PERT6「発酵的ワークスタイル」
酒にしても醤油・味噌にしても発酵するためには「醸造」がある。市販されている発酵食品の多くは「醸造工場」によってつくられ、醸造家たちが食品を生産するために発行をするというのものである。そのワークスタイルはどのようなものかを取り上げている。

PERT7「よみがえるヤマタノオロチ」
発酵技術の進歩は止まらない。もっともバイオの技術を進歩することによって様々な新しい発酵食品ができ、これからもまたそれができる可能性を秘めている。

発酵の技術は人類や技術の進化と比例しているのかもしれない。その進化の在り方が本書にあると言っても過言ではない。

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