ここ最近「発達障害」に関する本を取り上げることが度々ある。治療する方、専門家、実際に発症しながらも前向きに生きている方々など様々である。発達障害自体が学習・言動・行動などにおける疾患と広い意味を持っている。発達障害の認知は徐々に広まっており、なおかつ支援する法律(発達障害者支援法など)が施行されるまでになった。
本書は2017年5月21日に放送された「NHKスペシャル「発達障害 解明される未知の世界」」にて取材したものをもとに発達障害とは何か、そして治療とこれからについて取り上げている。
1.「知られざる「感覚過敏」の世界」
まずは「感覚過敏」である。人には「視覚」「聴覚」「触覚」「味覚」「嗅覚」といった五感があるのだが、そのうちの一つ以上の感覚が必要以上に表れ、なおかつそれがネガティブに捉えられることがある。「感覚過敏」の要因として、触れた情報を感覚として処理を行う中で異なる処理が行われていることにある。そのことから普段の人であれば感じることがないことが不快に捉えられてしまうことも大いにある。
2.「ADHDと学習障害の当事者に見えるもの」
ADHD(注意欠如・多動症)について取り上げられている。忘れ物をしてしまうことが毎回在るほどの注意欠如、さらに整理整頓が苦手であり、遭ったこともすぐに忘れてしまうということが往々にしてあるというう。また教科書の音読ができなくなるといった「学習障害」も本章では実際にかかっている方々を中心に紹介している。
3.「二次障害のこわさ」
発達障害によって人と異なるような感覚を持ってしまうことがある。それが社会やコミュニティになじめなくなってしまい、鬱などの二次障害になることもある。こうなってしまうと発達障害の治療だけでは済まなくなり、困難を極めてしまう。二次障害を避けるためにはどうしたら良いのかも取り上げられているのだが、キーポイントとしては多様性を受け入れることも一つとしてある。
4.「発達障害を抱えながら働く」
発達障害を「個性」としてとらえ、活躍している方も少なくない。当ブログでも焙煎士として活躍する方の本を少し前に取り上げているのだが、本章ではグローバル的に活躍される方などを紹介している。
発達障害というと、「障害」とあるだけに一生付き合うハンディと思われがちであるのだが、実際は発達障害を抱えている方々が人とは異なる特性や個性を持ちながら、様々な分野で活躍されている方々がいる。ようは発達障害に対して、それを抱えていない人がいかに捉えるかが大事になってくる。発達障害に対する考え方を変えるのはむしろ私たちである。
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