ふるさとをつくる―アマチュア文化最前線

地域文化は往々にして新しいものが作られたり、逆に廃れたりするようなことがある。もっとも文化の中には「変化」をしながら数十年、数百年といった長い歴史でもって続けてきたものもある。本書はその中でもアマチュアがつくった地域文化を取り上げていくのと同時に、文化についての開拓と維持、繁栄について取り上げている。

第1章「地域文化の開拓者たち」
本章では主に北海道のお祭りや大会などを取り上げているが、中でも最も有名なものとして「YOSAKOIソーラン祭り」がある。このお祭りというかダンス大会と呼ばれる催しは今から27年前のことである。元々北海道大学の学生ががんで入院していた母親を看病した際に高知の「よさこい祭り」に触発され、北海道に持っていきたいという思いから「YOSAKOIソーラン祭り」ができたとされている。ちなみにそのとある学生は長谷川岳であり、現在は自民党参議院議員である。

第2章「アマチュア文化大国・日本」
文化はボランティアや教育などにも影響を与える。その文化を誕生させ、振興させる中でもアマチュアの方々の尽力は少なくない。その「尽力」としてどのようなものがあるのか、本章では長野・大阪・沖縄のフェスタや舞台などを取り上げている。

第3章「ふるさとを継ぐ」
「祭」や「文化」は地域そのものを表している。もしもそれらがないと「街」や「地域」としての「顔」「表情」が失われるためである。本章では「文化を受け継ぐ」ためと、地域の「復興」への取り組みについて取り上げている。

文化は絶えず変化する一方で、変えてはいけないものもある。もちろん文化がなければ、町や地域としての顔や表情がなくなることを意味するため、作る必要があるのだが、本書は一から、なおかつアマチュアから文化をつくり、振興させることの大切さを知り、もし文化を創るのであればどうするのかを考える指針となる一冊である。

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