人生は色々と「迷う」。それは不惑を迎えた40歳を越えても同じことなのかもしれない。そう考えると、かねてから言われていた「不惑」と読ばれる言葉は死語でもいいのではないかと考えてしまうほどである。
著者に言わせると、迷う時代はいつ何時もあり、迷わない時は存在しないほどだという。その迷い生きることと、それを通じて、楽に生きるにはどうしたらよいのか、そのことについて伝授したのが本書である。
第1章「新しい世界を迷いながらゆく」
人生において、新しいこと・世界に出会うことの連続である。その新しいものに対してどのような印象を持つのか、どのように向き合うのかを常々考える。その中で「迷う」ことは往々にしてあり、私自身も仕事やプライベート双方で迷うことは日常茶飯事である。しかし「迷い」があるからでこそ、考え得る選択肢を生みだし、自分の中にある新しい地図に描いていく。
第2章「「今」を生きるために」
私たちが生きているのは「過去」でも「未来」でもない。「今」このときである。その「今」に対して、これからの人生に向けてどのように生きていくか、自分自身の「生きる意味」を見いだすことが大切であるという。
第3章「孤独と幸せの両立」
「孤独」と言うと、最近では「孤独死」などのネガティブな印象を持たれる人も少なくない。しかし孤独になることはいつでもあるのだが、その「孤独」をいかに向き合い、大事にしていくのか考えることも大切である。自分自身の自問自答ができ、自問自答を通じて、「幸せ」とは何かを見いだすことができるようになる。
ただし勘違いしないでほしいのは「孤独」と「孤立」は異なることは忘れてはならない。
第4章「変わりゆく自分を楽しむ」
日常は変わりゆくことの連続である。それは周りの環境はもちろんのこと、自分自身の内面や身体の変化も含まれている。変化は誰も避けて通れない中で、「楽しむ」ことを大切にすることなどを取り上げている。
第5章「日々を少しだけ楽に生きる」
生きづらい世の中である。周りからどう観られているのか、その空気にさいなまれる人も少なくなく、考える余りに精神的な病を罹患する人も少なくない。「楽に生きる」ためにはどうしたらよいか、嫌われることを厭わず、多少のことでも面白がり、そして知識に踊らされないことも肝要であるという。
生きることすなわち「迷い」とも言える。迷いながら、判断をしながら、そして悩みながら生き続ける、しかし迷うといっても後ろ向きではなく、前向きに楽しみつつ迷うことも一つの「生き方」と言える。もし人生に迷いが生じた場合は本書でもって迷いとは何かを向き合うと良い。
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