理科系の読書術 – インプットからアウトプットまでの28のヒント

「本を読むのが苦手」と言う人は少なくない。かつて「蔵前トラックチャンネル」のYouTubeチャンネルで取り上げていた時のこと、そういった悩みを抱えるメール、あるいは実際に出会う方々のなかにもそういった人から「私、本が苦手で、どうやったら沢山読めるんですか?」と質問されることもあった。

本の読み方は人それぞれであり、私のように多読になれと言うことは言わないし、1ヶ月に1冊だけ読むと言う方もいてもいい。それでもなお読むことが苦行と思っている人も少なくない。
そこで本書である。著者も大学教授をしているなかで学生たちが読書に対して苦行と思ってしまう方々から質問を受けることが多くあり、そのために本の読み方を講義しているのだが、その講義の内容を明かしている。

第1章「本と苦労なく向き合う方法」
私自身雑食の如く様々な本を読むのだが、実際に全部読んだり、一字一句細かく読むことはごくまれである。多読の人のなかには数分ないしは数十秒で読んで1冊終わりという方もいる。本を読むことが苦手な人のなかには「完璧に読まなければならない」というイメージを持たれる人もいるのだが、著者も主張しているのだが、私も同じように決して全て読むことが読書とは限らないのである。

第2章「難解な本の読み方」
本の中には難解なものもある。私自身もこれまで書評してきた本の中には読み解くのが難しい本はいくつもあった。とくに大学における研究のなかには避けては通れない本の中でそういった傾向の本もある。難解な本をいかにして読んでいくのか、その具体的な方法を取り上げている。

第3章「多読、速読、遅読の技術」
読書法は様々であり、本章のタイトルのようなものが主としてある。私自身の場合は速読や多読がメインであるのだが、本によっては遅読をすることもある。そのため本によって読み方をフレキシブルに変えることをしている。本章ではそれぞれの読書の在り方を取り上げている。

第4章「アウトプット優先の読書術」
著者もそうであるが、私も読書はアウトプットありきである。インプットをしたときに、どのような感想を持っているのか、そしてどのようなことが得られるのか、書評を通じてアウトプットしている。ちなみに著者はどのようにして読書からアウトプットにつなげていくのか、その方法を伝授している。

第5章「本の集め方、整理の仕方」
どの本を買うか、どこの本屋で買うか、そして本は借りた方が良いのか、人それぞれである。私は買うことも、借りることも行っており、本やその日の気分によって変えている。もちろん私自身の本棚はある程度整理したが、恥ずかしながら整理前はあふれかえっていたほどである。整理にしても購入にしても、「どのような本を購入して」「どのように整理していくのか」著者ならではの方法がここにある。

第6章「読書メモの取り方」
私自身も読書メモを取る。しかしそのメモはあくまで書評で取り上げる際の「ネタ帳」と言った方が良いのかもしれない。そのネタをドンドンと取り上げていきながら、さらなる読書を進める糧となる。ちなみに本章では糧と言うよりも成果を上げるための読書メモの取り方を取り上げている。

読書の仕方・考え方は人それぞれである。本書で取り上げた読書術はあくまで大学において研究の際に避けて通れない読書を行うための読書術である。もちろん研究ばかりでなく、ビジネスパーソンでもスキルやマインドの醸成のために役立つこともいくつか存在する。