兵器を買わされる日本

著者によれば、2012年に安倍晋三が首相に再登板してから防衛費が右肩上がりを続けていると糾弾している。もっともその時期は中国や北朝鮮の脅威により、防衛を図っていくために防衛費を上げると言ったことが狙いだった。しかしそれだけでなく、アメリカではドナルド・トランプが大統領に就任してからトランプが対日貿易赤字の削減を図るべく、通称「思いやり予算」を引き上げると言った動きもある。

その中で本書は日本の防衛費が上がっている要因として「兵器」の購買にあるのだという。その購買ルートと、防衛のあり方についてを追っている。

第1章「自衛隊を席巻する米国兵器~トランプ大統領の兵器ディール」
自衛隊の武器はどこから仕入れるか、わからない方も多くいる。実は国内外にて購入しており、アメリカ政府からも購入しているという。また日本の名だたるリーディングカンパニーからも仕入れている。

第2章「アメリカ絶対優位の兵器取引~対外有償軍事援助」
主に兵器そのものと言うよりも、兵器を製造する際の材料も含まれており、その材料を仕入れるケースが多いのだが、その仕入れるに際してもアメリカを優先すると言った風潮があるのだが、その本質を取り上げている。

第3章「降って湧いた導入計画~ミサイル防衛のイージス・アショア」
北朝鮮のミサイル発射が幾度か起こり、それを防衛するためのイージス艦を導入することになったのだが、その導入にあたってのトラブルも頻発していた。導入方針を住民に説明をする所でトラブルが起こり、なおかつ導入へのプロセスでもゴタゴタが見られるなど、計画を立てる段階でずさんさが見られたという。

第4章「実は火の車の防衛費~米国兵器爆買いのツケ」
防衛予算は右肩上がりになっているものの、実は防衛費については、火の車であるのだという。その事実について、関係者の告発を行った資料をはじめ、取材を通してわかった予算から出費のルートに至るまでを細かく取り上げている。

第5章「聖域化する防衛費~兵器輸入拡大で禁じ手連発」
著者に言わせると防衛費は「聖域化」しているという。もっと言うと防衛費の「要求が聖域化」していると言った方が良いのかも知れない。その聖域化はいかにして作り上げられたのか、そのことについて論じている。

もっとも予算は私たちの税でまかなわれている。ただ国防は諸外国からの脅威から守るために必要なことであるのだが、その予算が適正に使われているのかどうか注視する必要がある。その上で今回のような調査報道は必要なことの一つなのではないかと考える。

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