ていん島の記

雲の上に浮かぶ島にて描く冒険譚である。いわゆる「ファンタジー小説」と呼ばれるものであり、それぞれの部族の人が飢餓から救うために旅をすると言うものである。ファンタジーとはいえど魔王と戦うと言うよりも、神の力を解放するための旅であり、その旅の中で出会う「試練」に出くわし、乗り越えていくというものである。

その試練に対して、果たして今ある平和は果たして正しいのか、そして3つの部族の均衡が果たして正しいのか、といった「敵」「味方」という対立構造ではなく、今ある運命や状況と、理想との対立が主になってくる。

ファンタジー小説と言うと、スケールの大きく、臨場感のある戦いを見られる事が多いが、よくあるものとは大きく異なり、それぞれのキャラクターの「内面」を浮き彫りにし、戦っていくというような色合いが強くある。そういう観点の小説であるため、見方によっては「淡々な物語」というイメージの一冊と言える。

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