「テンペスト」の意味は簡単に言えば「暴風雨」や「嵐」のことを表す。本書の舞台となっている古代琉球王国であり、夏場には台風に巻き込まれることも多く、本書のタイトルのようなことも少なくない。しかし昨年起こった被害のようになることは少ない。台風直撃に備えての家造り担っているためである。
本書の舞台は約250年前の琉球王国、ある少女が臣官と偽って行政で活躍したが、活躍したことにより、女性であることがばれ、八重山島に流刑に処された。
その当時の琉球王国は日本・清・米国など様々な国が関わっている。漢詩・和歌などが織り交ぜられており、多種多様の文化を織り込んでいる。それだけではなく長編ながらにして分かりやすい展開であるため、読んでいても苦にならない。歴史小説らしからぬドタバタ感と軽さも魅力があり、ベストセラーとなる要因となったのかもしれない。その一方で和歌や漢詩も深みがあり、初めて小説を見る人にとっても、小説を読み慣れている人にとっても楽しめる一冊と言えよう。
コメント