父という病

子供は男性と女性の交わり無くしては生まれない。しかし育てるとなると父・母双方がいても極論を言ってしまえばいなくても育つ。そのため「父」「母」の存在意義は何なのだろうか。そもそも「父親」は必要なのかという議題から子供の精神の観点から論じている。

もっとも本書は「母という病」の続編で、本書と前述の本とで「親」の存在意義を問い質している。もちろん父・母両方が存在する理由は生物学的、と言うよりも遺伝子学的に証明できると言えばできるのだが、それだけでは子供の無視している印象を持ってしまうために、本書があると言える。

それぞれが持っている「父親像」がどのようにして子供達の精神や考え方に影響しているのか、もちろんそれが「病」と名づけられているだけあって「呪縛」のような役割を担うこともある。他にも「父親の背中」と言う言葉のあるとおり、その人自身の「目標」にもなり得る。そのため「病」と言う名前を冠しているが、必ずしも悪い意味で作用しているわけではないと言うことだけは言及しておく必要がある。