人間は木と同じようにそれぞれの「成長」がある。その成長は真っ直ぐとした成長もあれば、様々な曲がり角にあるような成長の姿を見せることがある。
本書のタイトルにおける「曲がり木」と呼ばれるのは、人間で言う所では何らかのハンディ(障害)を抱え、成長していくという日常小説である。
私自身も中学時代にハンディを抱えている方々と交流があったのだが、その交流を通じてそれがあったとしても普通の人間のように生活し、生きる姿を垣間見た。その生きる強さを私自身は見出したのだが、そのハンディを抱えている方々にとっては普段の人とは比べものにならないほどの「葛藤」を抱えながら生きている姿がそこにはあった。短編集であるのだが、私たちの想像しえないハンディを抱えた方々の姿を見ることができた一冊であった。