大避難 何が生死を分けるのか―スーパー台風から南海トラフ地震まで

今年は何かと災害の多い年であった。今年に入ってから西日本、さらには関東でも豪雪になり、夏初めには西日本を中心とした豪雨、さらには21号・24号の2個の台風による甚大な被害、さらには春には山陰、6月には大阪北部、そして9月には北海道胆振東部を中心とした地震が相次いだ。特に9月は北海道で初めて震度7の地震が起こり、一時は北海道全体で停電をするといったことまでに至った。その中で避難や官民問わずの防災対策について取り組む重要性を気づかされた1年だった。

本書はスーパー台風や南海トラフ地震を想定したシナリオや避難などのシミュレートした一冊であるのだが、本書のようなことは現実に起こりうる可能性が高まっているため、防災対策として必携と言っても過言ではない。

第1章「水害、巨大都市を襲う最悪シナリオ」
今年は特に9月末~10月最初にかけて台風24号を襲った。特に関東を中心に暴風が相次ぎ、月末夜には計画運休、さらにはその翌日午前中もダイヤ乱れが相次いだ。それだけでなく、関東では台風による豪雨はもちろんのこと河川の氾濫による洪水も発生した。今後もまた台風を襲うようなことがたくさんあるのだが、暴風のみならず、豪雨による洪水や冠水といったことも起こりうる。今年は25年ぶりとなる「非常に強い台風」が日本を上陸したのだが、今後はさらに強い「猛烈な台風」が上陸する恐れもある。そのことから台風を襲った場合の防災シナリオの構築・修正は関東・関西を中心に必須なものとなってくる。

第2章「南海トラフ地震、津波避難への挑戦」
今年だけでも3回の大地震が襲った。しかしながらその地震以上の大地震となることとして「南海トラフ地震」を襲う危険性も捨てきれないほどである。巨大地震の予測と言ったものの進歩も進んでいる一方で7年前に起こった東日本大震災のことを教訓とした防災への意識も高まってきており、今年連発した災害に対しても官民問わずの対策が求められるようになってきた。

第3章「動き出した国・自治体・市民」
直近で地震・台風が起こったのだが、それに対する避難をどのようにしたら良いのか、特に国や自治体を中心としたシミュレーションを行うようになってきた。さらには年に1~2回ほど避難訓練も実施するなど動きを見せている。

今年は本当に災害の多い年であった。それと同時に東日本大震災や熊本地震をきっかけとし、避難などの防災への機運が高まってきている。その高まっている災害対策をいかにすべきか、あくまでシミュレーションであるのだが、それを元に対策を考えるきっかけとなる一冊である。

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