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2018年11月

葬偽屋に涙はいらない―高浜セレナと4つの煩悩

生と死を題材とする作品は少なくなく、本書もその一冊と言ってもいいほど過言ではないのだが、そもそも本書の舞台は「葬『偽』屋」とあり、「葬儀屋」ではない。それは「偽装」をして、自分自信の葬儀がどうなるのかというのを見ることができる、そして自分自身にあった「葬儀」の形にするといったことを取りなすものである。 奇怪な業者でありながら、自分自身の「死」を見出すことができ、なおかつ、仕事に関して、さらには労働 […]

人生に疲れたらスペイン巡礼 飲み、食べ、歩く800キロの旅

スペインは別名「情熱の国」と呼ばれるほどの国である。ヨーロッパ大陸に位置づける国であれど、ラテンの印象もあり、そのことが情熱差を増長されている。世界最高峰のサッカーリーグの一つであるリーガ・エスパニョーラも行われており、銀河系軍団であるFCバルセロナやレアル・マドリードなどが在籍している。さらには世界三大自転車レース(通称:グランツール)の一つであるブエルタ・ア・エスパーニャも開催される国としても […]

グローバライズ

本書のタイトルなのだが、どうも「グローバリズム」を捩っているようにしか思えない。そもそも世界的・地球規模を意味しているのだが、そういった小説はなかなか見つからない。 もっとも本書は短編集であり、世の中のありとあらゆることなどを短編にして、一冊にまとめ上げている。しかしながらジャンル自体が多岐にわたっており、中には日本語で書いていない所もある(ちなみに何語で書いてあるのかは本書を見るとすぐ分かる)。 […]

女のことば 男のことば

言葉は学べば学ぶほど面白いものであり、なおかつ絶えず変化をする。しかしながらその「変化」を忌み嫌う人も少なくない。また言葉は国、さらには地域によって多かれ少なかれ異なるのも特徴としてある。そして本書のように男女でも言葉が異なるのだから面白い。 <女のことば> 女性の身体的特徴から、主婦に関連することば、さらには江戸時代以降における「遊郭」にて誕生した「廓言葉」など女性にまつわるような言葉があるとい […]

AIのある家族計画

AIの技術は日進月歩の如く進化しており、ついに私たちの生活の中にも入りつつある。もっとも本書のタイトルにあるような「家族計画」は、あくまでフィクションではあるにせよ、現実味を帯びている面も拭えない。 SF要素が満点の作品でありつつも、現在の状況も重ね合わせており、SFならではの現実とのかけ離れがそれ程感じないのも本書の特徴である。今から数十年後っぽく描かれているようだが、実際には数年後にできそうな […]

炎上とクチコミの経済学

よくネットでは投稿によって「炎上」する事がある。「炎上」という言葉を知らない方だと、物理的に火事になるのかと思ってしまう方もいるのだが、コメントが肯定・批判・中傷問わずに噴出して荒れてしまうような状況のことを指している。その影響により、起業や有名人の中には陳謝をしたり、アカウントを閉鎖したりするようなこともあり、さらに悪質に行うことをした場合はそのメディアから排除の的になることさえもある。 しかし […]

弘法大師空海と出会う

「弘法大師」といえば空海の諡号(しごう・戒名の別名)であり、なおかつ仏教における真言宗の開祖であることは有名な話である。その弘法大師は奈良時代において仏教の世界で重きを成した人物としてよく取り上げられているのだが、そもそも弘法大師の足跡は宗教のみならず、伝説や美術、思想にまで影響を及ぼしているといっても過言ではない。その空海の生涯や姿について美術や著作、さらには縁の地に赴きながら全体像を描いている […]

歩く、見る、聞く 人びとの自然再生

自然は変化する。それは様々な気象変化による自然手的なもの、そして人間が開発のために行った人為的なものとある。もっとも人為的なものにしても自然と共生するものと、対立するものとで分別される。 自然の変化もあるのだが、中にはそれを「自然破壊」と主張するのだが、もっとも人と自然との関係と自然再生とはどのような関係であるべきなのか、そのことについて取り上げている。 第1章「自然とは何だろうか?―人間との相互 […]

オーケストラ ー世界の町で楽団員をさがそう!

オーケストラというと様々な楽器で編成される。その楽器の奏者は数多くおり、曲によっては少なくて済むのもあれば、多種多様の楽器を使うことさえもある。よくオーケストラに使われる楽器について本書は絵本であるのだが、取り上げられている。 ちなみに本書は絵本であるのだが、あたかも「ウォーリーを探せ」の如く、楽器の楽団員を多数いる人の中から探すと言ったある種の人捜しクイズにようになっている所も魅力的である。 し […]

HSCの子育てハッピーアドバイス HSC=ひといちばい敏感な子

皆さんは「HSC」という言葉をご存じだろうか。調べてみると、 「ひといちばい敏感な子(Highly Sensitive Child)」(p.2より) だという。敏感にも程度はあるのだが、空気を必要以上に読む、あるいは悪い空気やニオイ、さらには言動に対して非常に敏感であり、特にネガティブな事を受けることによっては人以上にストレスとして蓄積するようなことさえもある。もちろん悪いことではなく、感受性が非 […]