EVと自動運転――クルマをどう変えるか

自動車は進化をするのだが、その中でも枝葉の如く、いくつかの方向で進化している。その中でも本書では「EV(電気自動車)」と「自動運転」の技術についてを取り上げているのだが、前者は徐々に浸透し始めてきており、充電スポットも次々とできはじめたことは私自身、周辺を散歩しているだけでも実感してしまうのだが、後者はニュースなどの媒体でしか観たことがなく、あまりピンとこない。ピンとこない中でも2つの要素は進化を道を辿っているのだが、どこまで進化をし、自動車業界にどのような未来を与えてくれるのか、そのことを取り上げているのが本書である。

第1章「クルマがこのままでは立ち行かない理由」
クルマは時代と共に進化して行っているのだが、その中で社会の方向性によって翻弄されている部分がある。特にエコカーに関する考え方、人為的ミスを減らす技術といったところは本書のタイトルにあるEVや自動運転の考え方ができはじめたきっかけとも言える。その社会的な状況・要望に合わせて進化しているが、そうしないと立ち行かないのであるという。

第2章「すべてのクルマはEVになるのか」
二酸化炭素の排出規制はマスキー法(大気浄化法)が1963年に制定されてから55年の歳月を迎える。当初はアメリカだけで行われたのが、日本やヨーロッパなど世界各国へ伝播していき、世界的に排出規制を敷いていき、時代と共に厳しくしていった。その厳しくしていった中で「エコ」の技術を取り入れて行き、EVもできあがっていった。

第3章「ドライバーのいらないクルマはいかにして可能になったか」
各自動車メーカーは開発を進めているのだが、実用化はされていないものとして「自動運転」技術が上げられる。開発や試験が進められていく中で、メーカーによって2020年までに実用化に向けて動いている所もあるという。その原因として交通事故など人為的なミスによる事故をなくすためにつくられたのだという。

第4章「自動車産業の未来」
自動車産業はどこへ向かうのか、そこには世界最先端の技術が取り入れられる、あるいは社会情勢に対応したクルマが次々とできはじめる青地図が存在している。

本書で取り上げている時期というと「ゴーンショック」と呼ばれる激震が走っている時期である。そう言う意味では悪い意味で自動車業界は目立っている一方で、日本の自動車業界ではTOYOTAが今年のル・マン24時間レースで初優勝を遂げたり、WRCでチャンピオンを獲得したりといった明るいニュースもある。モータースポーツの話になってしまったのだが、昨今の自動車の進化は、このモータースポーツの活躍にもリンクしている部分が多い。その意味で今の自動車産業の未来は光と影、その両方が存在している。