現場から見上げる企業戦略論

現場を直接見ても分からない部分がある、そのため現場から机上に向けて「見上げる」ことによって日本の経営や企業についてどのように戦略を構築していたら良いのかがよく分かる。その見上げた中でどのような課題と未来と戦略を持てば良いのか、本書はそのことを取り上げている。

第1章「経営学と経済学の知見が導く「ものづくり理論」」
著者は様々な企業を取材して「現場」を見てきたのだという。その現場の中で経済的に強い、あるいは経営的に「強い」企業とはどのような物なのか、そして情報やサービスのあり方はどうするべきか、あるいはものづくりはどうするべきか、その理論を提示している。

第2章「「現場から見上げる」戦後産業史とは何か」
そもそも本書のタイトルである「現場から見上げる」はなぜ重要なのか、そこには戦後産業史の歴史にて立証をしているという。もっとも「上(机上)から見下ろす」歴史と経済とは乖離があり、なおかつその乖離をいかにして埋めていくのか、時代と共に取り上げている。

第3章「「グローバル能力構築競争」と日本企業の勝機」
グローバル的に能力にまつわる競争が行われているというのだが、実際に日本はどの立ち位置にいるのか、っそのことを提示していると共に、新興国などの海外に進出した際にどのような進化を遂げる必要があるのか、そのことも併せて取り上げている。

第4章「IoT、インダストリー4.0の本質を見極めよ」
技術や概念についても進化しているのだが、特に本章で取り上げている2つの要素が日本をはじめとして世界的にも注目され、なおかつその概念に手をつけている。日本では遅れている印象を持たれるのだが、その遅れを取り戻し、イニシアチブを得るためにはどうしたら良いのかを提示している。

日本の産業は世界でも上位にいるかと思いきや、最新技術については後れをとっている印象を持っている。その印象から脱するためには現場を通じて、机上へと見上げて、課題をあぶり出し、解決していくことが必要になってくる。その道筋が本書にある。