駐在日記

警察の「駐在」というとミステリーのようなイメージを持ってしまうのだが、本書は決してそうではなく、駐在警官と地域住民との暖かな関わりを描いた物語である。

短編集ではあるのだが、連作であり、駐在警官が様々な人と触れ合うことによって、多かれ少なかれの事件はあるものの、殺人事件と言った重いものではなく、心温まるような出来事に遭遇すると言った、いわゆる本当の意味での「日常」が描かれている一冊である。

もちろん事件解決までのプロセスも描いている。しかしそのプロセスもミステリーの分類に入るのかもしれないのだが、ミステリーならではの緊張感というよりも、周囲の協力の暖かさが勝っているような気がしてならなかった。「事件の中にある日常」あるいは「日常の中にある事件」というような描き方が本書には合っているのかもしれない。

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