カリスマフード―肉・乳・米と日本人

食べ物としては和夫奥の種類があるのだが、健康志向における食糧としては「ファッションフード」と呼ばれる一方で、人としての能力や健康の効力をもたらす「カリスマフード」と呼ばれるものがある。そのフードのあり方について取り上げているのが本書である。

第1章「肉」
もともと肉は日本人と縁遠かった存在と思われた。その「縁遠い」といえたのは牛肉などが宗教的な「禁忌」により食べることが禁じられたこと、さらには江戸時代における「生類憐れみの令」がでたためである。そのような時代の中でも実際には肉は食べられていた。ウサギが一つの例であり、数え方が「一羽」「二羽」と名付けられたのは、禁忌にふれないためにあえて「鳥」として捉えるようにして数えて、食肉として捉えるようにした話がある。他にも先述の鳥も例外として食べられることが許されていたという。

第2章「乳」
もともと牛乳は「体に悪い」イメージを持たれる。しかしながら明治時代における文明開化とともに牛肉などの肉食が出来始めてきてから、牛乳が認知されはじめ、スーパーフードとしての役割、そして栄養素がわかり始めるようになると「カリスマフード」と取り上げられるようになった。

第3章「米」
日本人としてもっとも親しまれている食糧として「米」がある。その米には健康的な要素がポジティブ・ネガティブ双方の要素がある。もっとも病気の元になったり、ある栄養素が不足を招いたりするような論争もあれば、戦争などの物資不足における代用食の論争、さらにはパンが隆盛し始めたときに米への批判もあったという。

カリスマフードというと、本書で取り上げた3種類を見てみると「主食」あるいはそれに近いもののイメージが持たれるのだが、実際はそうでなく、人間としての運動や行動において、良い効果をもたらすこととして、そう定義しており、なおかつ日本人としての歴史にさらされてきたと言える。

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