発達障害は今となって認知されているものの、未だに誤解は残っている。また発達障害は病気と思われがちであるのだが、「障害」というのは名ばかりであり、実は一種の傾向にあり、その傾向を活かして仕事に活かしている事例も存在する。
とはいえ発達障害にまつわる誤解は残っており、一つ一つ誤解を解くにも限界がある(最も厄介なのかその誤解が一人歩きしてしまい、認識を醸成されていることにある)。その誤解を解くと共に、発達障害に対するケアについても取り上げている。
第1章「発達障害の子どもと青年」
本章では発達障害と言われた子どもたちを取り上げている。実際の診断で「発達障害」とされた子どももいれば、インターネットの情報だけで親が勝手に扱ったといったエピソードまである。
第2章「世間の誤解を解く」
世間的に「発達障害」はどのように扱われているのか、発達障害になった人の傾向から、対策、さらには原因に至るまでのことを表しているのだが、実を言うと誤解となっているのだという。
第3章「支援者の誤解を解く」
発達障害にかかった方々もいる一方で、障害に対しての支援を行う方々も少なくない。その支援者に対しても「誤解」があるのだという。そのことを本章にて取り上げている。
第4章「発達障害とはなにか」
そもそも「発達障害」とは、
「心理的機能の発達が滞った状態。知的障害・自閉症など」(「大辞林 第三版」より)
とあるのだが、広義的な意味であり、細かい所までなってくると、原因・傾向も含めて多岐にわたる。一例を挙げるだけでも「自閉症」「アスペルガー症候群」「学習障害」「ADHD(注意欠陥・多動性障害)」などがある。それぞれ治療法も異なるのだが、薬物治療も含めた治療法なども紹介している。
第5章「発達障害周辺の障害や疾患」
発達障害とひとえにいえども、それと共に「知的障害」など周辺の障害を併発していることも大いにあり得る。その疾患の傾向と対策についてを本章にて取り上げている。
第6章「発達障害の理解をその変遷」
発達障害への理解は進みつつあり、法制化される。法制化されたことにより、認知されるようになったのだが、未だに誤解されるようなこともあるのだという。本章ではその認知までの変遷を取り上げている。
発達障害の認知や法制化などは進んでいる一方で、未だに偏見という名の誤解が残っている状況にある。そこから誤解や偏見を解くためにどうしたらよいのか、それを考えを持つ一助となる一冊と言える。
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